2014年3月6日木曜日

第788話 ウーマン・シェフの里帰り (その1)

ニューヨークはマンハッタン、
ラファイエット・ストリートの仏料理店で
スー・シェフを任されているK美子が里帰りしてきた。
前回は一昨年の秋だったから、
年々帰国のインターバルが縮まっているようだ。

彼女の行動パターンとして名古屋の実家に戻る前に必ず、
東京に1、2泊するのが習わしで
その際にJ.C.と一夜をともにするのもまた習わしなのだ。
ハハ、一夜といっても酒盃を交わすだけだがネ。

名古屋出身ながら学生時代を吉祥寺で過ごしており、
武蔵野エリアには愛着があると語る。
ところが前回、浅草を連れ回したところ、
すっかりエンコの街に魅せられてしまい、
此度の逢瀬も浅草を指定してきた。

驚いたことに、ご丁寧にも宿を浅草にとった由。
しかも前回はしご酒の最後の止まり木とした、
居酒屋「正ちゃん」のすぐ隣りのホテルときたもんだ。

 ♪  流れ女の  さいごの止まり木に  
    あなたが止まって  くれるの待つわ  
   昔の名前で出ています  ♪  
       (作詞:星野哲郎)

小林旭のカン高い歌声が頭の中を回り始めたぜ。

べつに意識してホテルを選んだわけでなく、
単なる偶然だったのだが
結果的に止まり木の隣りに陣を構えるとは、
浅草で飲む意気込みが天に伝わったとしか思えない。

さて、J.C.が浅草に着いたのは
待合わせ時間より30分も早かった。
たとえ30分にせよ、おろそかにはできない。
よって向かったのは角打ちの「大瀧酒店」だ。
裏通りの酒店だがエンコには貴重な角打ち。
並びには立ち飲み酒場「安兵衛」がある。

時間もあまりないことだし、
1杯400円のサッポロ生中と、
1皿たった100円の小肌をお願いした。
生ビールには何の問題もない。
あきれ果てたのは小肌のほう。
たかだか100円の皿にイチャモンつけても仕方ないが
その生臭やたるや、マンマ・ミーア!
どうすることもかなわなかった。

それはそれとしてコレを書きながら
チラチラ観てるTVではザックJAPANが
何ともお粗末なゲームを繰り広げておる。
ハァ~、やれ、やれ。

=つづく=

「大瀧商店」
 東京都台東区浅草-11-11
 03-3844-6665