2014年3月25日火曜日

第801話 鯊(はぜ)と穴子とジェラートと (その2)

初めに訂正です。
第794話、「岸辺のアルバムを観たけれど・・・(その1)」で
TVドラマ「赤い激流」を山口百恵主演と書いちゃいましたが
”赤いシリーズ”でもこの作品に彼女は出ていませんでした。
I澤Y一サンはじめ、数名の方からご指摘をいただきました。
感謝いたします。

なお、I澤サンからのメールがとても興味深いものがあり、
”みちのくひとり旅シリーズ”が終わりましたら、紹介したいと思います。

さて、松島の絶景をしばし眺めたあと、
地元では知る人ぞ知る、そして知らない人は知らない、
天ぷら店「大漁」の小上がりに脱靴した。
店舗は幹線道路の奥松島パークラインに面している。
運ばれた料理をご覧いただきたい。
ボリューム満点のはぜアナゴ定食
こちらもガッツリ、かきフライ定食
「大漁」だけに大量だぜ、こりゃ!
難敵のはぜアナゴ定食はまず大ぶりの鯊が3枚、
その下に20センチはある穴子が丸1尾だ。
鯊はホクホクとキスとメゴチの中間的な食感。
秋口になれば東京の天ぷら屋でお目に掛かれても
そう簡単に食する機会に恵まれないのが鯊だ。
二人仲良く1枚半づついただいた。

穴子も半身づつ分け合う。
鯊・穴子ともに身肉の旨さは格別。
ただし、サラダ油主体で揚げた天ぷらは好みではない。
多少なりとも胡麻油をブレンドしてもらいたい。
その旨を相方に伝えたらことのほか落胆した様子。
言わなきゃよかったと、後悔のほぞをかむ。

かきフライのかきは地元の磯崎産。
旬の峠を越えていてもじゅうぶん楽しめた。
もともとかきは瀬戸内よりも三陸が好きだ。
ところが最近は播磨灘のものがとても良質。
兵庫県・坂越産なんか、三重県・的矢産にも似たエレガンスが漂う。

昼食後、のみともが若かった時代に御用達だったジェラート屋に赴く。
天ぷらに不満をもらしたJ.C.にこれなら絶対、気に入るハズとの仰せ。
言わば、天ぷらの仇を氷菓で討つ腹積もりなのだ。
だがネ、口には出さず胸のうちでつぶやいた。
(アイスクリームかよォ、あんまりうれしくないなァ)

でもって行きました「ポポロ」なる、
ローマの広場の名前を冠したジェラートショップへ。
ここはテイクアウト専門店。
「どれにする?」と訊ねられ、迷っているうちに
結局は薬局、二つとも相棒が決めちゃったヨ。

選定はヴァニラとラムレーズンであった。
支払いをする友を背にコーンを両手に自動ドアのボタンを押す。
すぐに店外に出ればよいものを
振り向いたりしているうちにドアが閉まって右手を強打。
「痛っ!」― Oh, my God ! まっさかさまにヴァニラが堕ちていきました。

 ♪ まっさかさまに堕ちて 痛いやァ ♪

ところで明菜は元気になったんだろうか?
2ヶ月ほど前に結婚の噂を聞いたけど・・・。

ともかく堕っことしちゃったジェラート。
でもネ、それを見ていたお店のマダム、親切にも新しいのをくれた。
ありがとうネ、オバちゃん!
そうしてこうしてジェラートをなめながら次の目的地、
県北・登米へ向かいましたとサ。

「天ぷら 大漁」
 宮城県宮城郡松島町磯崎長田80-47
 022-353-2235

「ジェラートショップ ポポロ」
 宮城県宮城郡松島町高城字浜38-3
 022-354-6322