2014年3月27日木曜日

第803話 ありそでなかった中華のレバ焼き

宮城県・登米市となれば、
「麺や文左」のほかにもう1軒、
是が非にも紹介しておきたい店がある。
実は今回もスキを見ておジャマしたかった。
ところがスケジュールはあまりにもキツキツ。
よって訪問かなわずであった。

それでもちょっと間、
身体が空いたので電話を入れたものの、
休憩時間だったらしく、ノー・アンサー。
仕方なく断念した次第だ。
したがって前回訪れた際のリポートとなる。

忘れもしない昨年の日本シリーズ第6戦。
地元、楽天のマウンドには今をときめくマーくんが
あのどんぐりマナコで巨人打線を見くだしていた。
そのときJ.C.は店のTVの真ん前に独り、陣を取っていた。
プレイボールからゲームセットまでじっくり観戦したが
何せ2013年における田中将大の敗戦はこの1試合のみ。
貴重なゲームを観ることができた歓び、いかばかりであろうか。

中華料理店の名は「賢龍」。
ストリートの名こそ知らねど、
幹線道路に面したプチ・ドライブインのような店。
目の前には晩秋の田んぼが拡がっていた。

この店を訪れるのは二度目だった。
前回、目にとめて惹かれ、オーダーしたレバ焼きを再びお願い。
もともとレバーは大好物だから
しょっちゅう焼きとん屋をたずねているが
中華料理店においてはせいぜいニラレバくらいしか選択肢がない。
しかもニラレバを謳っているのに実際はモヤシレバであることたびたび。
不満は残るし、納得もいかない。

しかしこの店ときたら豚レバがビシッと主役を張るレバ焼きなのだ。
試しに注文してみたがズドンと真ん中に命中だった。
オラ、こんなレバ好きだ!
これぞ純レバなりき
いいですなァ、いいでしょう?
脇の長ねぎとピーマンがことのほかうれしく、
かれらはかれらでおのれの存在をけなげに訴える。
うん、キミたちの美味は、よお~く判っちょる。

レバを口元に運びながらTVを観レバ、
おや? 今夜のマーくんはいつもと様子が違うじゃん。
得意の持ち玉、スプリット・フィンガーに心なしかキレがない。
あらら、高橋由伸が打ったヨ、
あやや、やったヨ、巨人が勝っちゃったヨ。

こんなシーンはまず観られない。
思わずビールを追加して最後まで観きったのだった。
よって夜更けの会合に遅刻すること半時間。
失礼こうむった次第ながらワケを弁明すると、みなさん許してくれた。

しっかし、このレバ焼きを炊きたての登米米の友としたら
さぞや旨かったことでありましょう。

「賢龍」
 宮城県登米市南方町王塚50−1
 0220-58-5228