2014年3月14日金曜日

第794話 「岸辺のアルバム」を観たけれど・・・ (その1)

雑誌やTVなど、メディアの特集で
TVドラマの歴代ベストが取りざたされると
必ずといってよいくらいTop3をはずさないのが
TBS制作の「岸辺のアルバム」。

1977年6月末から9月末まで
およそ3ヶ月に渡って全15回が放映された。
短期間の番組にも関わらず、
視聴者に大きなインパクトを与えた名作なのだ。

ハナシは脇にそれるが
1977年とはどんな時代だったろう。
歌は世につれ世は歌につれ、
ヒット曲で往時を振り返ってみよう。

その年のレコ大受賞曲は沢田研二の「勝手にしやがれ」。
下積んでいた石川さゆりは「津軽海峡・冬景色」で大ブレーク。
「北国の春」(千昌夫)、「昔の名前で出ています」(小林旭)も
東京の街中を流れに流れまくっていた。
前年にデビューしたピンク・レディーは「カルメン'77」、
「渚のシンドバッド」、「ウォンテッド」、「UFO」と、
まさにヒットのオンパレード、全盛期を迎えていた。
思い起こせば古き良き時代であった。

そこで’77年のマイ・ベスト5。

① 雨の物語(イルカ)
② 能登半島(石川さゆり)
③ 迷い道(渡辺真知子)
④ 秋桜(山口百恵)
⑤ あずさ2号(狩人)
 次点:九月の雨(太田裕美)

映画では「幸せの黄色いハンカチ」、「八甲田山」が観客を集めた。
ともに邦画の歴史を彩る佳作である。

その他のTV番組では
香山美子・林隆三・中尾彬の三角関係を描いた「愛の嵐」。
山口百恵主演の”赤いシリーズ”で
最高視聴率を誇る「赤い激流」(第5作)が放映されている。

「赤い激流」の放映期間は
ほとんど「岸辺のアルバム」と重なっているから
TVドラマ史に残る名作も
こと視聴率においては当時の百恵人気にはかなわなかったのだ。

「赤い~」、「岸辺の~」の両番組がオン・エアの真っ只中、
8月16日にエルヴィス・プレスリーが突然死した。
のちにニューヨークでジョン・レノンが射殺されたときと同じくらいに
衝撃を受けた記憶がある。

この日のことはよく覚えている。
学生時代にバイト先で知り合った仲間と
それぞれが就職したあとも交流が続いており、
たまたま4人、徒党を組んで伊豆七島の神津島に渡っていた。

=つづく=