2016年1月20日水曜日

第1277話 ひきこもって「グロリア」

一昨日の朝。
目覚めて窓を開ければ港が見える。
もとい、路上に積もった雪塊が見えた。
前日の天気予報で降雪は覚悟していたが
またずいぶん積もったもんだなァ。

山下達郎の「クリスマス・イブ」では
雨が夜更け過ぎに雪へと変わるが
おとといは夜更け降った雪が早朝に雨へと変わった。
Silent morning, holly morning.
・・・とはいかなかったけど―。

この日のスケジュールは降り積もった雪のごとく真っ白。
朝刊を開くと午後3時頃に雨は止む予想。
この時点で昼めしのための外出はあきらめた。
こうなったらパンでも焼いてミルクティーでも淹れて
のんびりとブランチを楽しもう。
そう思ったことだった。

夕刻に雨が上がったとしても
雪解け道は歩きにくくてしょうがなかろうヨ。
滑って転んで大分県はイヤだから夜も出かけるのは控えよう。
となれば丸一日ひきこもりということになっちまうな。
いいでしょう、いいでしょう、こういうのもたまにはいいんだ。

バターをたっぷりぬり込んだトーストをかじりながら
朝刊のTV番組表に目を通す。
おっと、13時半からTV東京が「グロリア」を放映するじゃないの。
ジョン・カサヴェテス監督、
ジーナ・ローランズ主演のオリジナル(1980年)ではなく、
シドニー・ルメット監督、
シャロン・ストーン主演のリメイク(1999年)である。

すでにオリジナルは3回、リメイクは1回観ている。
デキは前者がはるかによい。
それでも後者を今一度観たくなった。
雪は雨に変わったけれど、ひきこもりを決め込んだのだ。

読者のみなさんはゴールデンラズベリー賞をご存じだろうか?
アカデミー賞が各部門のベストを選出するのに対し、
ゴールデンラズベリーはその反対、ワーストを選ぶのだ。
実は不名誉なこの賞の主演女優賞にシャロンがノミネートされ、
名匠・ルメットの評判も地に堕ちたのがこの作品。

そうかねェ、そうかしら・・・
かなり楽しめるサスペンス映画に仕上がってるのに―。
もっともラズベリー賞なんかちっとも気にすることないんだ。
マドンナとデミ・ムーアは常連中の常連、
男優では」シルベスター・スタローンとケビン・コスナーが
しょっちゅう槍玉に上がっている。
どことなく選出者に意図的な悪意を感じるネ。

とまれ、予期せぬ降雪のおかげで
懐かしい映画を見ることができ、
少しくシアワセな一日ではありました。