2016年1月28日木曜日

第1283話 漱石ゆかりの洋食屋 (その4)

「松栄亭」でメニュー選びが大詰めを迎えている。
ハンバーグにするか、あじフライを取るかである。
そうです! ここはハンバーグです!

あじフライを選択したひにゃ、
ロースカツとかきフライを合わせて
揚げ物オン・パレードになってしまう。
よってお願いしたのはAとE。
落ち着くところに落ち着いた感じだ。

そしてここに来ると必ず注文する漬物を二人前。
浅めのぬか漬けは洋食のおかずと白飯のよきつなぎ手となり、
恰好の箸休めにもなってくれる。

それぞれの値段を忘れてしまったが本日のランチ5種は
おおむね1000円から1500円のレンジに収まったと思う。
いわゆる定食スタイルだからスープ付き。
ここがアラカルトと比べてお得なわけだ。

ビールのグラスを合わせてほどなく、最初に漬物が登場。
これが100円とはお値打ち
大根の白、きゅうりの緑、にんじんのオレンジ。
この三色(トリコロール)は縦縞ならアイルランドの国旗と一緒。
横縞で真ん中の白部分にポッチンがあったらインドだ。
とまれ三色カラーは美しい。

ビールをグビッとやって、にんじんをポリポリ。
う~ん、ぬか漬けは浅めの漬かりに限るなァ。
かく言うJ.C.、古漬けが大の苦手。
あの匂いとあの酸っぱさにお手上げ状態となってしまう。
つい先日も江東区・森下の天ぷら屋でギヴアップした。
天ぷら大好きの気に入り店なのに
強烈な匂いを発するぬか漬けのせいで
しばらくは再訪すまいと心に決めたのだった。

ビールは好みとしないキリン一番搾りながら
美味しいぬかチャンのおかげでもう1本と相成った。
わが身にとってビールは清涼飲料水だから
酒類にカテゴライズされない。
されないけれど、隣りの卓の客から見れば、
”昼酒カップル”と判断されよう。
それはそれでまたヨシ。

スープがやって来た。
化調が主張するコンソメであった。
おざなりに過ぎて感心しないが
サービス品にイチャモンつけても始まらない。
だけど、これならなきゃあないでいっこうに構わない。
ってことは定食の食べ得感は雨散霧消の巻である。
やれやれ。

=つづく=