2016年1月21日木曜日

第1278話 ライムを爆買い (その1)

フルーツを口にすることはめったにない。
食事にデザートを必要としないし、間食も嫌いですからネ。
ただし、柑橘系の果汁を使ったカクテルやミックスドリンク、
はたまた酎ハイの類いは大好きだ。

オレンジやグレープフルーツだと甘みが勝ってしまうので
もっぱらレモンとライムを愛好している。
あとは夏みかんがけっこうですネ。
殊に酸味が強くて食用には向かない冬場のそれがよい。

真冬でも散歩を欠かさぬJ.C.
道端や公園で実をつけている夏みかんを見つけると、
一つ二つ失敬してきては酎ハイにして楽しむ。
でもこういうのは窃盗あるいは
置き引きの罪に問われるのだろうか?
確信はないけどまず大丈夫であろうヨ。

鎌倉在住の旧友が上京してきて
とんかつが食いたいと言うから浅草へ赴く。
とある老舗でロースとヒレを分け合いながらビールを飲んだ。
互いにライスよりビールのほうがありがたい。
夜に横浜で飲み会を控える相方を
都営地下鉄・浅草駅の改札口で見送った。

自宅の冷蔵庫内にキープしている、
というよりも飼育していると言うにふさわしい生わさびが
だいぶチビてきて余命はあと数日と思われていた。
雷門のはす向かいにあるスーパー「オオゼキ」に立ち寄る。

ここのところ築地の魚河岸にはあまり行っていない。
わさびは築地が一番安い。
デパ地下で本わさびを買おうものなら
本まぐろの刺身より高くつくから
もっぱらこの「オオゼキ」で調達するのが近年の習わしである。

大き目な海鼠(なまこ)くらいの立派なサイズが1000円前後で買える。
わさびをドボンと浸す水道水をこまめに交換してやれば
ゆうにひと月はその命を永らえてくれる。
ありがたきかな。

当夜も真っ先にわさびを確保。
そのあとで掘り出し物を物色するため、
店内を徘徊していると、ありました、ありました、
発見したのはメキシコ産のフレッシュ・ライムでありました。

国内市場に出回るライムはほぼ100%がメキシコ産だが
ほとんどの場合、1個約200円というのが相場。
それが何と1袋5個で98円(プラス税だったかな?)ときたもんだ。
前代未聞の価格破壊がここにあった。

こんなに安いライムはかつて見たことがない。
歓び勇んだJ.C.、4袋も買っちまっただヨ。
自分のあさましさにめまいがしたくらいであった。

=つづく=