2016年7月7日木曜日

第1398話 同期会で池袋の夜 (その1)

先週末、中学の同期会が池袋で開かれた。
独り幹事のN中クンによれば、
われわれは第20期の卒業にして同期会は6回目なのだという。
毎年恒例の忘年会はその数に入れないようで別勘定の由。
 
会場は西口の「地球飯店」、スタートは17時半である。
山手線で池袋に到着したのは17時前。
若干の時間的余裕があった。
この街は中高年になってから、
もとい中高生の頃から慣れ親しんだホームタウン。
時の過ごし方、時間のつぶし方は熟知している。
 
さっそく頭の中に描いた景色は
ビールの大瓶1本に焼きとんの串2本である。
となれば東武デパート前の「三福」が第一感なれど、
普段あまり訪れない「豊田屋」にしようという気になった。
この店の存在は小学生時代から認知している。
西口だけで1号から3号まで3軒あるハズだ。
 
土曜日の黄昏どきだというのに店内の客はまばら。
同じ西口の「ふくろ本店」と比較すると劣勢は否めない。
それでも五十路だろうか、元気なオネエさんを中心に
スタッフの掛け声が店内に響き渡って
それなりの活気を保っている。
 
サッポロビールと良好な関係を築いていると見え、
生も瓶もサッポロである。
ただし、瓶は黒ラベルではなくラガー、いわゆる赤星だ。
J.C.はこれをあまり好まない。
飲み口はちょうどキリンラガーと黒ラベルの中間といったふう。
そして赤星とスーパードライの中間が黒ラベルだろう。
 
赤星は懐旧の情をくすぐるが
現在のサッポロの主力商品は黒ラベルだ。
もしも前者の売れ行きが後者に勝るのなら
当然、主力の座は入れ替わっているハズ。
飲み比べると後者の洗練が浮上して違いがよく判る。
 
と言いながらもコップに注いだ赤星を一気に飲み干す。
陽気が陽気だけにのど越しは格別なものがあった。
暑い夏は大好きだから本当は自宅から徒(かち)で来たかった。
来たかったが汗びっしょりで宴に臨むワケにはまいらんもん。
 
先刻、頭に描いた通りに焼きとんは2本。
シロとレバを1本づつが理想形なれど、
当店は1種につき、ミニマム2本制だ。
悩んだ末にレバを選択。
どちらも甲乙つけ難いほどの好物ながら
レバのほうが当たり外れが少ない。
その堅実性を買ってみたのである。
 
=つづく=