2017年1月5日木曜日

第1530話 申年から酉年へ (その2)

元日から名酒に恵まれ、いい気分。
年の初めの一日はどこへも出掛けず、
寝正月を決め込んでいた。
いわゆる食っちゃ寝、食っちゃ寝である。
実際は飲んじゃ寝、飲んじゃ寝なんだけどネ。

冷蔵庫のビールが底をついたので
近所のスーパーへ買い出しに―。
ついでに昨夜のボクシングの詳細をチェックするため、
スポーツ新聞を購入する。

家に戻ってスポーツ誌を読み終えると、
あとは別段、することナシ。
TVをつけても観たい番組とてナシ。
そこで思いついたのが映画鑑賞である。
DVDを納めたラックを引きずり出して選択に励んだ。

すでに何度も観たものばかり。
その中から最終候補に絞ったのは2枚。
ドイツ・ハンガリー合作の「暗い日曜日」と
A・ヒッチコックの「鳥」である。

前者はハンガリーで生まれ、
のちにシャンソンにも転化した楽曲を
モチーフに書かれた小説の映画化。
戦闘シーンはないがナチスドイツがらみの戦争物である。

後者は言わずと知れた”鳥”が主役の恐怖映画だ。
半世紀以上も前のある日、
帰宅した父親が
「今日は凄い映画を観てきたヨ」―
日頃、冷静な彼にしては珍しく、
興奮気味に語り出したのを覚えている。

その後、自分の目で観て確かに驚いた。
特殊な技法を駆使しているのだろうが
CDの無い時代によくもあそこまで撮り切ったものよのぉ。
ゴジラやモスラなんかとは異質のスゴ味があった。
存外、評論家による評価は高くないようだが
J.C.は理屈抜きに好きですネ。
ヒッチコックの代表作の一つに数えてよい、
マスターピースと言い切ってはばからない。

でもって、選んだのは「鳥」。
理由は簡単、酉年の始めだからネ。
主演のティッピ・ヘドレン(メラニー・グリフィスの実母)、
助演のスザンヌ・プレシェット(トロイ・ドナヒューの元妻)、
ともにきわだって美しい。
そんな美女を集団で襲う鳥たちが
コワいですねェ、オソロしいですねェ。
ハイッ、もう、お時間きました。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。