2017年1月11日水曜日

第1534話 行動開始は二日から (その4)

明けて三日。
初詣は前日に済ませてあるので気楽に出掛けた。
恩賜上野公園を散策して不忍池のほとりへ。
昨日浅草、今日上野である。

朝食を取らずに家を出たため、空腹を感じる。
適当な店を物色しながら
湯島から広小路方面に歩みを進めた。
道ゆく人々の数は浅草ほどではない。
歩道がずいぶん空いている感じだ。

はて、どこで何を食そうか?
一日、二日と和食系が続いたから洋食というか、
醤油味やかつお出汁から逃れたいと思った。
第一感はとんかつ、第二はカレーである。

しばらくご無沙汰の「井泉本店」を目指した。
広小路の交差点の手前を右折すると、
ん? 何だ、なんだ!
店先に行列ができてるじゃないの。
当店で行列を見るのは初めてのことである。

並ぶのはイヤ、カレーにしよう。
さすれば界隈のベスト・カレーショップ、
「デリー本店」だろう。
ここはいつも行列だが回転が速いから
それなりの覚悟を決めた。

ところが予想を上回る長蛇の列に心がくじける。
正月も三日になると、
誰しもおせちからの脱却を図るものらしい。
みんな同じことを考えるもんだネ。

ちょっとしたランチ難民になり果てたものの、
通りの向かいの「我流担々麺 竹子」に目がとまる。
この店の支那麺は大好きなのだ。
主力商品は担々麺だが醤油スープの支那麺がイチ推し。
あちこちさまようのはやめにして
こうなったら醤油味でもいいや、
和食じゃなくて中華だしネ、そんな気持ちになった。

”支那”というのは差別用語のようで
PCに”シナ”とたたいても変換してくれない。
メーカーが遠慮しているわけだ。
でもネ、「竹子」のスタッフは全員フロム・チャイナ。
彼らが”支那”の二文字に頓着しないのなら
われわれが何を臆することがあろう。

でもって結局は薬局、
気に入りの支那麺をツルツルッとやりました。
細打ちストレートのコシのある麺の上には
豚挽き肉と高菜の炒めもの。
他店にはないユニークな一鉢に
難民化を免れたJ.C.でありました。

=おしまい=

「我流担々麺 竹子 天神下店」
 東京都文京区湯島3-38-11
 03-3831-6862