2017年8月9日水曜日

第1674話 なぜか初めて松陰神社 (その1)

前夜の深酒のせいかノドの渇きで目覚めた。
同時に尿意も感じた。
ウインクで見たデジタル・クロックは
午前5時半を示している。
夜はすでに明けていた。

キッチンとトイレ、どちらが先かは言わずもがな。
アウトプットを済ませ、
それからインプットというのが常識人の順序だろう。
冷蔵庫のソーダ水をグラスに1杯。
ソーダ水といっても真緑のメロンソーダなんかじゃない。
無色透明のクラブソーダである。

朝刊にザッと目を通し、再び寝床にもぐり込む。
2時間ほど二度寝してすがすがしく起床。
あらためて新聞を読み直し、
シャワーを浴びて洗顔・歯磨き、朝食抜きで家を出た。
これといった目的も行く先もない。
ただ漠然と散歩をしよう、そんな腹積もり。

いつしか小田急線の電車に乗っていた。
代々木上原で下車しようとも思ったが
各駅停車に乗り換え、やって来たのは梅ヶ丘。
この町は何年ぶりだろう?
みちのくの震災直後だった記憶がボンヤリとある。

そうだ!「ピッツェリア・イル・モストロ」だった。
イタリア系には珍しく店内にTVがあって
ウイリアム皇子の結婚式の模様が流れていたっけ。
ってことは’11年の4月だネ。

6年ぶりの梅ヶ丘の町並みに
さほどの変化はみられない。
時刻は13時を回っており、空腹感の襲来を受けていた。
歩きだす前にまずはランチだ。

確か北口ロータリーに面して
カジュアルなパスタ屋があるハズ。
トマトソース系のスパゲッティでもいただきますか。
あっさりとペペロンチーニでもいいや。

ところが行ってみたらビルが建て替わり、
店は跡形もないじゃないの。
別段、失望するでもなく駅周辺をぶらぶら。
北口にはモダンなスーパーマーケットが2つある。
ビールと軽食を買い求め、
近くの羽根木公園で独りピクニックを敢行しようか。

いや、待て待て、それは最後の手段、
もうちょっとぶらついてみよう。
すると1枚の立て看板が目についたのだった。

=つづく=