2018年2月16日金曜日

第1811話 江戸川越えて市川&本八幡 (その1)

上野公園で所用を済ませ、JR上野駅の改札を通った。
今宵は”こち亀”の亀有でハシゴの予定。
候補を3店に絞り、いざ出陣の巻である。
広小路近くのメトロ千代田線・湯島駅を利用すれば、
一本で行かれるものの、何となく常磐線に乗りたくなった。
これだと北千住で乗り換えが必要なのにネ。

プラットフォームに降りると、
ダイヤの乱れで15分以上も待たねばならない。
木枯らしに吹きざらされるのはイヤだなァ・・・。
こういうケースはすみやかに予定変更の方向転換が賢い。

秋葉原で総武線に乗り換え、向かったのは千葉県・市川。
しばらく訪れていないが、この町には少なからぬ縁がある。
最初は1970年代初め、そして1990年代の終りだった。
GFの住まいがあり、”君棲む町”へとよく通った。
まっ、そんな思い出話を語っても仕方ないから先を急ぐ。

駅から徒歩2分の「朝日屋」なる居酒屋に入店する。
日本そば屋みたいな屋号だが市川では指折りの佳店だという。
カウンターとテーブル合わせて20名は入れようか―。
5席だけのカウンター、その左端に落ち着いた。

落ち着いたといっても接客通路の脇でしかもトイレのそば。
目の前ではTVの大画面が相撲中継を流している。
おかげで栃ノ心が優勝する瞬間をライブで観ることができた。
僥倖なり。

栃ノ心といえば同じ春日野部屋に属した昭和の名横綱、
栃錦は隣り町の小岩出身。
改札口の前には銅像まであるもんネ。

画面の脇には映画のポスターが
これまたデカデカと貼られている。
東映スコープの「金獅子紋ゆくところ 魔境の秘密」は
 1958年末に劇場公開された。
この年の正月に大ヒットしたのが
裕次郎の出世作、「嵐を呼ぶ男」だ。

「魔境の秘密」の主演は
今も活躍している里見浩太朗(当時は浩太郎)。
人気TV番組「水戸黄門」では5代目・水戸光圀を演じた。
それに花園ひろみ。
この人は同期デビューした山城新伍と二度結婚し、
二度離婚している珍しい履歴の持ち主だ。
J.C.にとって東映のお姫さまスターは
花園ひろみと丘さとみが双璧である。

わっ! 悪役の両巨頭、吉田義夫と原健策も出てるヨ。
殊に吉田義夫は幼稚園生の頃に観た、
中村錦之助のチャンバラ映画によく出ていて
子ども心にすっごく怖かった。
後年は寅さんシリーズで旅回りの芝居一座の座長や
冒頭の夢シーンに登場したりもした。
ちなみに市川市の北に隣接する松戸市は
江戸川をはさんで葛飾・柴又と相対している。

サッポロの中ジョッキを傾けながらつまみの吟味に入った。

=つづく=