2018年2月27日火曜日

第1816話 チキンライス・アゲイン (その1)

二月としては穏やかで
ときおり陽が射す好日の正午過ぎ。
東京メトロ丸ノ内線の終着駅、荻窪に降り立った。
進路を西に取って歩みを進める。
荻窪から西に向かって20分も歩けば、
そこは西荻窪の町である。

途中、善福寺川を渡りながら川面に目を落とすと
番(つがい)のカモがが仲睦まじい。
小室サンと真子サマの如しだ。
あまり見慣れない小柄なカモである。
オスの茶色い頭を記憶にとどめて
帰宅後、調べてみたらコガモだった。

2羽のコガモのほかにはセキレイが1羽。
飛び跳ねては着石するたびに
尾羽が小刻みに上下に揺れる。
コガモもセキレイもカワユい。

ここに突然、水面を滑空する無粋者が現れた。
その姿は全身真っ黒けのけ。
浅い流れは潜水に不向きだし、
大した獲物もいなかろうに・・・
そう思うのだが、とにかく1羽のカワウが飛び去った。
不忍池に帰るのかもしれんネ。

JR中央線・西荻駅で相方と待合せ、
向かったのは北口の「夢飯(ムーハン)」。
シンガポール名物、海南チキンライスの専門店だ。
ちょうど1週前、大塚の「ラムリ」で外しに外し、
その弔い合戦の意味も多少ある。

店先に行列はないが10人近くがたむろしている。
ウェイティング・リストに名前を書き込むシステムにつき、
列は形成されない。
われわれも記名し、界隈の散策に及んだ。
順番を飛ばされるリスクは多少あるがネ。

おう、おう、かつ丼で有名な「坂本屋」には5人の行列。
その向かいの「ソーセージハウス もぐもぐ」も
繁盛している様子でまことにけっこう。
駅前の老舗「WINE&FOODS 喜久屋」は
建物老朽化のため、2月末で閉業する由。
(2月末って明日じゃないか!)

「夢飯」に戻り、待つこと数分でカウンターに案内された。
当店の最終訪問は2007年2月、実に丸11年ぶりだ。
少なからず店内の様子が変わった。
スタッフは女性ばかりで5~6人。
以前はみんな男だったような気がする。
隔世の感否めずの巻である。

=つづく=