2021年1月4日月曜日

第2560話 外食を シャットアウトの 三が日

元日から三日まで、三が日は外食を控えた。

外出も住まいの近所をブラブラしただけ。

TV番組は芸能人の格付けチェック、

池の水をぜんぶ抜いたり、湖の魚を取ったりするのや

サッカーの天皇杯、箱根駅伝あたりを観たが

何となく不完全燃焼気味の新年である。

 

外食しなかったぶん、厨房に立つ回数は例年より増えた。

年の初めにあたり、一発バシッと決めようか―。

折よく、山形県在住の友人から山形牛が届いていた。

部位はリブロース、ならばステーキを焼いたろう。

 

元日の夜、酢だこと小肌粟漬けでビールを飲んだあと、

気合を入れて腕まくり。

まずはガルニテュールから―。

 

キャロット・グラッセは

野菜庫にあった金時にんじんをきちんと面取りし、

ブラウンシュガーとバター少々で仕上げた。

もう1種はドジョウインゲンのバター炒め。

ヘタを取って下煮を施しておく。

 

サラダはインサラータ・トリコローレ(三色)。

イタリア国旗風サラダは彼らの国民食だ。

ルッコラ・エンダイヴ(日本ではチコリと呼ばれる)・

ラディッキオ(日本ではトレヴィス)が

それぞれ緑・白・赤のイタリア国旗を表している。

 

ドレッシングはヴァージン・オリーウオイル、

白ワインヴィネガー、ライムジュース、塩・胡椒。

バルサミコは味変のため、途中で数滴加えることに―。

 

主役のリブロースをニンニク香を移した紅花油で

ミディアムレアより若干レアめに焼いた。

味付けはヒマラヤのピンク塩と黒胡椒のみ。

仕上げにレミー・マルタンVSOPでフランベした。

 

食卓に並べ、とっておきのバルバレスコ・リゼルヴァを

リーデルのピノ・ノワール用グラスにトクトクトク。

造り手はテヌータ・カレッタ。

銘柄はカッシーナ・ボルディーノ 2012年。

これは朝起きてすぐに抜栓しておいた。

 

ブショネなどあるまいが

アロマが立たず、ブーケも閉じたままなんて事態に備え、

フランスのポン=レヴェックとスペインのマンチェゴ、

2種のチーズの用意も怠らない

ポン=レヴェックはエポワスが未入荷だったのでその補欠。

バゲットも訪れた「ダロワイヨ」が扱いをやめており、

すぐそばの「アンデルセン」を代用し、バターは雪印。

 

結果、銘酒は本領を存分に発揮してくれ、

フロマージュとケソのアシストはニードレス。

むしろチーズと合わせたら開き過ぎるキライあり。

ともあれ、至福のニューイヤー・ナイトとなりました。