2021年2月2日火曜日

第2581話 あら意外 北区・王子に ニューヨーク

この日の待合せはJR京浜東北線・王子駅北口改札。

筒美京平に焦点を当てたTV番組の録画を

のみとも・ヨセちゃんに頼んであったので

受け取りを兼ねてのランチだ。

 

徒歩2分の「ラッコズ ニューヨークスタイル ピザ」。

英語名「ROCCO’S NEW YOOK STYLE PIZZA」に直行。

東京ではきわめてまれな、というか、

ほかに知らない、ニューヨーク風ピッツァが

王子にあると聞き、前夜から此処に決めていた。

 

独りで切盛りする気の良さそうなアンちゃんが

申し訳なさそうに、これしか残っていないと指差したのは

クラシック・ニューヨーク(チーズ&トマトソース)が2切れだけ。

それを貰うしか選択肢はない。

ストロンボーリなら出来ると言うので

ペパローニ(イタリアン・ソーセージ)&チーズを通した。

 

ビールの銘柄はチェック済み。

すべて小瓶につき、3種を分け合う腹積もり。

最初はオランダのハイネケン。

日本のラガーにも似た、スッキリ・テイストである。

 

温めるだけのピッツァはすぐに運ばれた。

日本の宅配ピザより薄いけど、そのぶん二回りほど大きい。

全面にクラッシュド・チリ(砕いた赤唐辛子)を振る。

いや、懐かしいなァ、ウォール街のオフィスのランチは

会社がサンドイッチを用意してくれたが月に2,3度は

デリバリーの1枚(10スライス)を数人の同僚とシェアした。

 

2本目はブルックリン・ラガー。

ラガーとは名ばかりでクラフトビールのような重たさがある。

好みではないのにこれも懐かしく、四半世紀ぶりに味わう。

3本目のサミュエル・アダムスはボストン・ラガー。

ずっと飲みやすく、米国のビールでは好きな銘柄だ。

 

ストロンボーリが焼き上がった。

シチリア島の北東部に位置する、

ストロンボーリ島の同名火山が名前の由来で

ピッツァ生地に具材を包み込み、こんがり焼き上げる。

 

赤ん坊の枕ほどもあり、見ようによっては春巻のオバケだ。

真ん中で二分され、流れ出るチーズが溶岩の如し。

具はほかにペパローニ・オニオン・ピーマン。

これは食べ切れず、二人ともハーフのクォーターが残り、

ドギー・バッグをリクエスト。

 

帰り際、アンちゃんに訊ねたら当店は今年で創業11年。

創業者のラッコさんはイタリア系アメリカ人(憶測)だが

数年前に亡くなり、日本人の奥さんが引き継いだ由。

ラッコはイタリア人が発音したらロッコだろう。

 

ルキノ・ヴィスコンティの名作、

「若者のすべて」の原題は「ロッコと彼の兄弟たち」。

主役のロッコは先ごろ元妻・ナタリーに先立たれた、

アラン・ドロンが演じ、相手役はアニー・ジラルド。

ヴィスコンティのマイ・ベストにして

ドロンのセカンド・ベストはこの作品であります。

 

ドゥオーモ屋上のシーンが印象深く、

同じ場所に立ってみたくてミラノを訪れたのは

ちょうど50年前の春でした。

 

「ラッコズ ニューヨークスタイル ピザ」

 東京都北区王子本町1-1-24

 03-3906-9710