2021年2月10日水曜日

第2587話 盲腸線を歩く (その2)

丸ノ内線の盲腸(分岐線)を構成する中野富士見町。

駅そばのラーメン店「純手打ち だるま」を離れ、

「ワイン食堂 マレーア」に入った。

切盛りする男女は夫婦であるらしい。

 

指定された席は通りに面する窓際で

ガラス越しに「だるま」の行列が丸見えだ。

こいつは特等席、高みの見物とまいるかの。

 

生ビールはキリンラガーだったが

背に腹、いや、背にノドは代えられない。

お願いすると、泡8mm のていねいな注ぎ方。

グビグビッと飲ったら自然に頬がゆるんだ。

 

パスタはカラヒグ麺

菅野製麺所×浅草開化楼を使用しています

 

とあり、本日の4種すべてに魅力を感じつつ、

魚介ミンチのオイルソースを択ぶ。

ミンチはいわゆるラグーだ。

 

小さな前菜はゆでキャベツの冷製にミラノ・サラミ。

スープがともろこしのポタージュ。

パンは玉子とミルクを感じさせる、

ブリオーシュみたいなタイプだった。

 

生パスタは太めのスパゲッティ、ピチに似ている。

肝心のソースだがタコと海老のほかにもう1種、

サカナが投入されていた。

こりゃ何だろう? メカジキかな? 

赤みを帯びていてもカツオにしては色が薄い。

ビンチョウマグロだろうか―。

 

断定できず、マダムに訊ねると

「シマ(そう聞こえた)です」

「えっ、シマ? シマアジ?」

「いいえ、スマです」

「ああ、スマね、スマガツオだ」

「そうです、そうです」

この美味なる高級魚は

カツオとマグロの中間といったら通りがいいかも―。

 

食後、隣りの中野新橋へ歩く。

駅界隈を散策し、新橋から神田川を眺めたところで

制限時間いっぱい、中野坂上にはたどりつけず、

盲腸線のお世話になった。

 

この日はNHKのヤツが

「伝説のコンサート 山口百恵 ‘80 10.5」を放映。

それも15時半などと、中途半端な時間に―。

でも、よかったネ、観てホントによかった。

初めて百恵のエッセンスにふれた思いがして

心に響くものがあった。

NHKさん、どうもありがとう、感謝しちょります。

 

「ワイン食堂 マレーア」

 東京都杉並区和田1-17-17

 03-6304-8127