2021年2月26日金曜日

第2599話 日暮れの里の ブレイクルーム

すでに書いたが令和3年の飲み初めは

荒川区・日暮里駅前の中国料理店、

「又一順(ユーイシュン)」だった。

 

特段、秀でた料理が出るわけでもないのに

居心地がいいため、たびたび利用している。

ここ数ヶ月、出没率の高まった日暮れの里の

マイ・ブレイクルーム的存在となった。

 

ビールを飲むときはおつまみセットが重宝する。

昼めしどきは晩酌に障りの少ない麺類が多い。

いろいろ試すうち、気に染まったのはあわびそば(1320円)。

高級食材を安価で美味しく食べられ、

やさしくおだやかなスープと細打ち麺もよくなじむ。

 

名物のジャージャー麺に挽き肉ではなく、

さいの目チャーシューを使用する。

ゆるめの餡がどんぶりを覆いつくす景色には感心しないが

味は悪くなくユニークにつき、一食の価値はあろう。

 

かに炒飯は素材の質・量ともに満足のゆくもの。

驚いたのが大量に投入された枝豆だ。

エッ? メニューの写真にこんなの撮ってないぜ!

これも感心しない、というよりむしろ無用の長物だヨ。

でも枝豆好きにはビールの友になるかもネ。

 

先日、当店で馬主の半チャンと1年ぶりの酌交に及んだ。

ビジネスの拠点をフィリピン・マニラにも持つ彼は

日本と行き来していてもベースはマニラ。

たまたま帰国している際、此度の禍に巻き込まれ、

以来、ずっと日本に軟禁されている由。

 

海老餃子、海老ニラ餃子、干し大根の玉子焼き、

油淋子鶏なんぞをつまみながらビールと紹興酒を楽しむ。

最近、持ち馬が今年の初勝利を挙げ、

ゴキゲンの半チャンである。

 

世の中不景気と思いきや、

JRAの馬券の売り上げは逆に伸びているそうだ。

ほとんどネットだから

馬券を刷る経費も手間も省け、まさに一石二鳥。

WINSにやって来るのはキカイが苦手な人ばかりらしい。

 

夕刻には切り上げる予定で

2軒目は行きつけのカラスタ。

まさか男二人でボックスってわけにはいかんからネ。

 

プロ顔負けの歌唱力は健在だった。

リクエストした藤圭子の「はしご酒」が上手し。

以前、J.C.の一番好きなブルースは何? と訊かれ、

エゴ・ラッピンの「色彩のブルース」と応えたら

いや、稽古したんだネ、

あの難曲をこなすんだから、いや、大したモンだ。

 

3月初旬に晴れて渡航がかなうとのこと。

帰国の際の酌交を約し、グータッチでお開きとした。

よいフライトを!

 

「又一順」

 東京都荒川区西日暮里2-18-3

 03-3801-8520