2023年1月16日月曜日

第3189話 行き掛けの 駄賃は赤星 明太子

今宵は旧友と千葉県市川市・本八幡で飲む予定。
千代田線・新御茶ノ水から
新宿線・小川町へ乗り換えた。
早めに仕掛けたおかげで時間に余裕がある。

中川の両岸は土地が低いため、車両が地上に出る。
 川を渡りながら左岸の船堀で下車を決めた。
向かうは中休みナシでサクッと飲める「百味家」。
使い勝手が良いので何度かお世話になっている。 

入店は14時半。
飲む客食う客、勢力図は五分と五分だ。
席に着く前に料理の品定め。
当店はカフェテリア方式だからネ。

最軽量の小皿、明太子に手を延ばす。
たら子派だが無いものは仕方ない。
明太は10年ぶりかな? いや、もっとかも?

オニイさんに赤星中瓶をお願いして着席。 
ん?  ちょいと生臭みを感じた。
こういう時は生醤油を23滴垂らす。
ぬか漬けの匂いがキツい時もこの手でしのぐ。
ホンの数滴が極めて有効、これぞ効果滴面。

本当は日本酒も少々垂らしたい。
自宅では生たら子に必ずそうする。
けれどもホンのチョピリの明太に
わざわざ1合はないだろう。

隣りの卓のオッサン二人が席を立った。
椅子に紙袋がそのまんま。
さっきのオニイさんがそばに来たので
「あれって忘れものじゃない?」
「いいえ、外にタバコを吸いに行ったんです」

それからのオッサンたち、
5分毎にいそいそと連れ立ってー。
かつては喫煙者の身だから
やめてしばらくはスモーカーにやさしい、
ノンスモーカーでいた。

それが最近、気になりだしたネ。
戻って来たオッサンたちの身体から
タバコの匂いがした。
真冬だってェのに、TUBEが歌い出したヨ。

♪   憎んでも恨んでも
  いいから忘れないで
  本気だった 愛してた
  さよならイエスタデイ

  叶わぬ約束は 今でも覚えてる
  少し不良の あなたの背中
  タバコのにおいがした   ♪

   (作詞:春畑道哉)

「船堀食堂 百味家」
 東京都江戸川区船堀3-2-3
 03-3869-6610