2023年10月4日水曜日

第3376話 武蔵新田は かつての花街

旧東急目蒲線は現在、
目黒線と多摩川線に分かれている。
よって目黒から蒲田に直通する電車は走っていない。
多摩川線7駅中、J.C.が一番好きなのは武蔵新田。
此処はかつて花街、いや、色街、
いやいや、赤線地帯が当たっているだろう。

ルーツは深川の洲崎。
戦況が悪化の一途をたどる昭和19年に
業者の一部が羽田の穴守へ移転したものの、
飛行場拡張のため、さらに移って来たのが
武蔵新田カフェー街というわけだ。
終戦直前だったのでポツダム赤線とも呼ばれた。

今では往時を偲ぶよすがとてないが
雰囲気というか、佇まいというか、
好きな町である。

最後に来たのは4年前の夏。
大衆酒場「白鶴」で飲んだ。
近いうちに新しいのみとも、
”白鶴”を誘って来よう。

てなこって、今宵も「白鶴 駅前店」。
あれっ、まだ開いてないゾ。
わりかし早い開店のはずだが、時刻はまだ16時。
店頭に開店時間が明記されておらず、
店先でボーッと待ってたひにゃ、
チコちゃんに叱られる。

念のため、近くの本店に廻ると暖簾が出ている。
よし、こっちにするかー。
しかし入店したら、まだだと言う。
「暖簾が出てるヨ」
「すいません、4時半からなんです」
「駅前店も一緒?」
「そうなんです」

界隈をブラブラして時間をつぶし、駅前店へ。
ドライの中瓶と皿うどんを通した。
時間の経過とともに食感の変わる、
皿うどんを肴に飲むのは好きだ。
具材はというと、豚小間、小エビ、
かまぼこ、キャベツ、にんじん、玉ねぎ。
過不足ない仕上がりに満足、満足。

半分食べ進み、ホッピーの白に切り替え、
焼き鳥の正肉を2本、塩で追加した。
テーブル席に比べ、
あまり居心地がいいとはいえないカウンターだが
なぜか落ち着くのが、この店のいいところだ。

中を1杯お替わりし、お勘定は2千円と少々。
線路の向こうの角打ち酒屋が
チラリ頭をよぎったけれど、
今日はこのまま帰ろうか?
取り合えず蒲田へ向かいました。

「白鶴 駅前店」
 東京都大田区矢口1-17-1
 03-3758-2233