2023年10月19日木曜日

第3387話 小雨にけむる帝釈天 (その1)

前日、寅さん映画を観たため、
葛飾柴又に行きたくなった。
4年前の年末、2週続けて土曜に行って以来だ。
のみとも・Fちゃんが「行ってみたい」と言い、
元カノ・T子は「連れてけ!」とほざいた。

今にも降り出しそうな空模様。
天気予報の雨マークは傘が閉じていたため、
いてまえ! てなもんだった。
しかし着いたら、ちょいと強めのパラパラだ。

帝釈天(題経寺)は小雨にけむっていた。
竹ぼうきで庭を掃く源公の姿は無かった。
参道を戻り、川魚料理店「川千家」の暖簾をくぐる。

18年ぶりである。
そのときのことは当時、
連載していた日刊ゲンダイのコラムに書いた。
銀座の現役ママ・E美子と一緒だった。

「テーブルでもお座敷でもお好きな方へ」ー
そう言われて靴を脱いだ。
こういう店では畳がよりしっくりくる。

まだ11時なのに先客が数組。
一様にうなぎの重箱をある者は肘をついて突つき、
またある者は人目もはばからず搔っ込んでいる。
とても外国人に見せられる姿ではない。

女性はともかくもニッポンの男どもの
食卓における作法には目を覆いたくなる。
これもみな女性であるところの
母親のしつけが悪いんだ。

ドライの中瓶とうざくを通したら、うざくNG。
仕込みが間に合わないのかな?
代わりに肝ロールをお願いする。
うな肝の詰め物の色は黒ずんでいるが
イタリアのサラミに似た感じだ。

菊正の上燗に切り替えた。
胡坐をかくと清酒が欲しくなる。
ニッポンの Jesus Crist、
J.C.にも日本人の血が流れているんだネ。

さて、つまみをもう1品。
せっかく柴又の「川千家」まで来て
うなぎなどと悪手は指したくない。
初心者じゃないんだしネ。

鯉にしようか、どぜうにするかー。
難敵なれど此処は一番、鯉でいこう。
さすれば、あらいでいこうか、濃いこくでいくかー。
鯉の悩みは尽きないものがございます。

=つづく=