2023年10月23日月曜日

第3389話 そば屋では そば食べるのが 基本なり

寅さんとさくらの銅像を振り向きつつ、
京成電車の高砂行きに乗った。
高砂で乗り換えるのだが
日暮里・上野方面だと
隣りの青砥でもう一度乗り換えが必要。
都営浅草線直通電車に乗り、浅草橋で降りた。

神田川を浅草橋で渡り、
江戸通りを真っ直ぐに日本橋本町まで歩く。
NYから帰国して柳橋に棲んだ当初、
オフィスまで何度も歩いた道筋である。

かつてたびたび利用した日本そばの名店、
「室町砂場」までやって来た。
ドライの大瓶には梅くらげのお通し。
これにチャージなどと、
ケチなマネを老舗はしない。

卓上に書店のポップみたいな小メニューあり。
んん? なんだ、なんだ、
どんぶりのすすめじゃないかー。
「砂場」にどんぶりあったかな?
どんぶりどころか
米の飯を見たことなんかないゾ。

よくよく見れば、
焼き鳥丼 1300円
天とじ丼 1100円
親子丼  1100円
3種もあるぜ、驚いたネ。

腕を組むことしばし。
食べてみようかー。
となると、もっとも「砂場」らしいのは
天とじ丼だろう。

わりと小ぶりなのを左手でリフト・アップ。
おもむろに箸を進める。
ん? なんだかなァ・・・。
どうやら期待し過ぎちまったみたいだ。

脇のしば漬けでいったん箸を休め、
さらに口元に運ぶ。
ガシガシとしたかき揚げが
口内で暴れ、食感を損なう。

これが町場のそば屋なら文句は言わない。
さすれど天下の「室町砂場」となれば話はベツだ。
とてもじゃないが他人様にあすすめなどできない。

そば屋のどんぶり物は神田駅の向こう側、
旧連雀町の「まつや」に
任せときなさい、っての。

「室町砂場」
 東京都中央区日本橋室町4-1-13
 03-3241-4038