2024年12月5日木曜日

第3682話 ノガミの午後のナポリタン (その1)

今日は近場ばかりなれど
あちこちと忙しい。
家を出て最初に団子坂下の青果店へ。
前日に取り寄せを頼んでおいた、
生わさびをピックアップ。

バスに乗ってノガミ(上野)へ。
手元不如意につき銀行で現金の引き出し。
お次は14時近くに遅いランチだ。
上野三大レトロ喫茶の一翼を担う「丘」へ。

「王城」と「古城」はどちらも
ここ1年ほどの間に訪れたが
「丘」は何と30年ぶり。
階段を降りてステッップ・イン。

ずいぶんガタが来てるねェ。
シャンデリアはぶら下がってるが
絨毯みたいな床材が擦り切れてるヨ。
先客も単身が2名のみで淋しい。

オニジさんに
「ビールありましたよネ?」
「今、出してないんです」
「エッ、いつから?」
「3年くらい前にやめました」
いつの間にやら純喫茶になっていた。

毎回ミートソースでもないもんだから
たまにはナポリタンをいってみよう。
ホットコーヒーと
セット(950円)でお願いした。

1964年、東京五輪の年に
開業した「丘」は今年で60周年。
当時と変わることのないナポリタンは
まさに喫茶店のソレである。

極太のスパゲッティに
具材はハム・玉ねぎ・ピーマン。
ケチャップがふんだんに使われてかなり甘い。
でも、昔から喫茶店のナポリタンはこうだ。
お決まりのパルメザンと
タバスコもサーヴされた。

レジ横にあった「散歩の達人」は上野特集。
10年以上前の号だった。

” 濃い上野 ” 
 アレもコレも、ぎゅっと詰まった魅惑の街
そうかなァ?

パラパラめくりながらフォークをあやつる。
レトロ喫茶のレトロなナポリタンを
古い雑誌を眺めながら食べてると
だんだん旨さが加味されてきた。
不思議なもんですねェ。

=つづく=