2024年12月10日火曜日

第3685話 温かな昼下がり (その1)

最近はバスが好き。
なるべく地下鉄を避けるようになった。
景色がまったく見られないもんネ。
まっ、近頃はみんなスマホに夢中だから
景色なんか必要ないわな。
ホントにイヤな世の中になったもんだ。

今現在、一番の気に入り路線は
日暮里発・亀戸行きである。
このルートは飛びっ切り。

日暮里→三河島駅前→荒川区役所→三ノ輪→
泪橋→白髭橋→百花園→東向島広小路→
橘通り→福神橋→亀戸駅前
と走り、ほとんどが気に入りのスポット。

亀戸まで乗ることはあまりない。
東向島広小路で降り、
水戸街道を南へ歩くケースが多い。
この日も街道沿いの「きそば ともえ」へ。
ごくフツーの日本そば屋である。

ドライ大瓶に冷奴が付いた。
気が利いてるねェ。
本日のランチ(800円)は鳥照焼き丼とそば。
もり・かけ・たぬき(冷 or 温)から択べる。
冷やしたぬきでお願いしてみた。

もりとたぬきは同値扱いだから
冷たいそばには揚げ玉だけがパラパラ。
ほうれん草やナルトは無し。
ところがどっこい、そば美味し。
コシの強い細打ちはかなりのレベルだ。
つゆも上々である。

ともに減量してあると云うものの、
そばはたっぷり一人前あるし、
照焼き丼もミニサイズを超えている。
皮付きもも肉がプリッと弾力に富み、
いいんだけれどタレの掛け過ぎで甘辛過ぎる。
2枚のたくあんをどうにか1枚やっつけ、
キューちゃん風は1切れ箸を付けただけ。

静かな店内がにわかに騒々しくなった。
ワアワア、わあわあと
入店して来たのは5人組。
オジさん1人にオバさん4人だ。

「飲みものとつまみだけでいいかネ?」
オジさんが店主の了解を得る。
各自ビールとそば酎ハイで晴れやかに乾杯。
どこまで平和なんだい、此の国はサ。

逃げるようにして、お勘定は1450円也。
さっき来た水戸街道をちょいと戻り、
地蔵坂通りを左折した。

陽光うららかにして温かな昼下がり。
ほうらビリー・バンバンも歌い出す。
気を持たせるつもりはないけど、
以下次話であります。

=つづく=

「きそば ともえ」
 東京都墨田区東向島1-33-9
 03-3611-7553