2012年5月30日水曜日

第327話 職務質問されちゃいました! (その5)

鶯谷駅南口、日本そば屋「公望荘」」の前。
無謀にも善良な(?)市民に職務質問してきた、
アホ警官をほぼ手中に収めている。
そもそも一般市民にとって
官憲による職質はヤクザによる因縁に等しい。
とまれ、見に降る火の粉は払わにゃならぬ。

「どこへ行こうが自由でしょうが!
 それともそんなに怪しい人間に見えるかネ?」―
当方それなりの修羅場はくぐってきたから
青二才の手にはとても負えやしません。
案の定、若ポリちゃん、二の句がつげないでいる。

困ったアンちゃんだよ、ったく。
取り合えず、警察手帳の提示でも求めてみるか。
相手はすでに袋のネズミ、
猫の立場としては少々いたぶっておきたい。
ハハハ、こうなるとどっちが警官だか判らんネ。

ところが・・・であった。
どこから現れたのか中年、いや初老に近いな、
笑みを浮かべたベテラン警官が割って入った。
そう、きゃつらは常にペア行動、二人で一人前なのだ。

老ポリが口を開いて
「いやあ、近頃いろんなヒトがいますからネ」―
おい、おい、何て言い草だい。
この物言いには温厚な(?)性格のJ.C.も
さすがにカチンときた。

「いろんなヒトって、どういう意味ですか?」
「いや、いるんですヨ、いろんなヒトが近頃は・・・」
「だからどういう意味なのヨ?
  いろんなヒトがいる中で
  ヘンなヒトに見えたってわけネ?
  するとワタシは不審人物ってことか・・・」

(トンデモないヤツに職質仕掛けちゃったわい)
老ポリは内心そう思っているに相違ない。
フン、どうせオメエのほうだろヨ、
若いのに命じて
「おい、アイツちょっとおかしいから一発カマせろ!」―
とか何とか言っちゃって
肥掛け、もとい、声掛けさせたのは!
べらぼうめ、相手をよおく見てから仕掛けてこいっての。
ん? よおく見たから職質になったんじゃないの? ってか?
ほっとけや。

駅南口の改札に向かう人の群には
振り向いて見ていく輩(やから)がいる。
それどころかわざわざ立ち止まって
見物してるヒマなヤツまで出てくる始末。
一体全体、どうなっちゃってんの、この法治国家はヨッ!

=つづく=