2014年4月9日水曜日

第812話 灯ともし頃のうな串 (その1)

 ♪ 待ちあわせて 歩く銀座
   灯ともし頃 恋の銀座
   僕と君が 映るウインド
   肩を寄せて 指をからませ
   二人の銀座

   触れあう頬 夜の二人
   甘い香り 熱い二人
   みゆき通り すずらん通り
   なにも言わず ときめく胸の
   二人の銀座

   銀座 二人だけの
   星もネオンも 僕と私のもの
   夜も更けて 消えたネオン
   星空だけ 恋人だけ
   ペーブメントに よりそう影が
   かさなる時 初めてのキス
   二人の銀座        ♪
    
        (作詞:永六輔)

和泉雅子と山口賢のデュエットソング「二人の銀座」。
いつもより長めに紹介してしまった。
1966年のヒット曲の作詞はおなじみの六輔サン。
作曲はザ・ベンチャーズの4人組である。

銀座を舞台にしたデュエットソングには
松尾和子とマヒナスターズの「銀座ブルース」があるが
もっぱらJ.C.がカラオケで歌うのはムード歌謡のこちらのほう。
「二人の銀座」は易しそうでいながら
男性部分の高音がなかなかに難しいのだ。

前フリが長くなった。
「二人の銀座」を引っ張り出したのは
”灯ともし頃”、このワンフレーズのため。
「カッパ 中野店」を出たあと、
遅くやって来る相方との待合わせまで、まだ時間がある。
街は黄昏から灯ともし頃に推移していた。

もう1軒、サクッと行っとくか・・・。
北口の飲み屋街を徘徊する。
こういうときに軽く1~2杯ひっかけることのできる店舗が
世界に名立たるグルメシティ・東京には少なすぎる。
実に情けない。
ニューヨークのバー、ロンドンのパブ、パリのカフェ、
ローマのバール、マドリッドのバル、
こうして比較してみると、東京の劣勢があからさまになって哀しい。

しばしさまよったあと、意を決して入店したのは「川二郎」。
ここはうなぎ屋だがフツーのうなぎ屋ではない。
珍しいうな串専門の店なのだ。

=つづく=