2014年4月29日火曜日

第826話 ”食べ”の駱駝に行きました (その3)

谷中銀座は「越後屋本店」の店先で
生ビールを1杯飲んだところ。
これから宴会場に向かうのだ。

メンバーの男女比、2対4ではハーレムとはいえない。
いえないが一応ハーレムにちなんで
択んだ店はトルコ料理屋だった。
いや、正確にはトルコ&ペルシャ レストランで
店名を「ザクロ」という。

ここを訪れたのは2001年。
当時は夕焼けだんだんの上にあった。
地下1階で一種独特の雰囲気を醸していたものだ。
それが今はだんだんの下に移転している。
石段の上と下、こういう移り方は非常に珍しい。
しかも以前は地下1階で現在は路面店だから
ダイニング・フロアの標高差はほとんどないに等しい。

13年前はここで、いや、前身店で大宴会を催した。
その数、五十名に達したのではなかったかな?
雪印乳業が自社製牛乳の衛生問題で不祥事を起こすまで
新宿御苑前に雪印チーズ&ワイン アカデミーなるスクールがあった。
われらが同窓生の集まりが「煩悩の会」。
当夜はその月例会だった。

”煩悩”だけに第108回まで頑張ろう!
これを合い言葉に続けてきたが
現在は第90回辺りで長い中断を余儀なくされている。
十数年前を振り返れば、
往時の隆盛ぶりには目を見張るものがあった。
友が友を呼び、参加者の数はふくれ上がっていったのだった。

「ザクロ」で食事するのは13年ぶりだが
その間にも何度か買い物に来ている。
店頭販売されているトルコ産のオリーヴオイルや
スパゲッティが破格の安さだからネ。
谷中散策のおりに立ち寄るには恰好のスポットなのだ。

時刻は午後7時を回り、6人のメンバーが揃った。
飲み食べ放題3000円にカバーチャージが500円で夜はこれ一本やり。
サクッと訪れることはかなわぬシステムになっている。

乾杯はトルコ産ではなく、チュニジア産ビールのセルティア。
この銘柄を初めて飲んだのは1992年2月だった。
アルジェリアからチュニジアに入り、
チュニスとカルタゴを旅したときだった。
アジア・アフリカ・ヨーロッパ、棲みついている人種は違えど、
地中海沿岸諸国のビールは飲み口もスッキリと、好きだ。

さァ、いよいよ料理が運ばれるのだが
先話から話題にしている目当ての一品とは何か?
これは読者の方々にも想像をめぐらしていただきたい。

=つづく=