2014年4月25日金曜日

第824話 ”食べ”の駱駝にゆきました (その1)

つい昨日のこと、昼めしを食べに根津の町へ出たら
うわ、何じゃこりゃ!
とてつもない人出で狭い歩道がいっぱい。
仕方ないから車道を歩いて行った。

おまわりサンに注意されようが
走るクルマにクラクションを鳴らされようが
んなこたァ、お構いナシ。
自転車に歩道走行を許す国において
歩行者が車道を歩いて何が悪いっ!

ふた月にいち度、髪を切りにゆく渋谷の街では
いつも車道を歩いている。
同じく歩きにくい自由が丘や下北沢でもそうしている。
シャドー・ボクシングならぬ、シャドー・ウォーキングなんちって。
そういえば一昨夜、長谷川穂積は華々しく散っちゃったなァ。

だいたい、この国はおまわりたちが自転車で歩道を走ってるからネ。
それも二列になってしゃべったりしながら―。
バカさかげんもほどほどにしとけや!

てなこって本日のJ.C.は怒っております。
そう、そう、根津の町であった。
人出の原因はただ今開催中のつつじ祭り@根津神社だ。
もともと谷中・根津・千駄木は谷根千と称して
中年・実年のお散歩のメッカ、平日でも道行く人が引きも切らない。

これといった名所旧跡に恵まれているわけでもないのに
プチ名所が散在しているのだ。
JR日暮里駅と千代田線・千駄木駅の中間に位置する、
夕焼けだんだん・谷中銀座・よみせ通りもそんな場所。

谷中銀座にある2軒の精肉店の前では
いつもオバちゃんたちがメンチカツを頬張っている。
なぜかオジさんよりもオバちゃんが圧倒的に多い。
もっともオジさんたちは会社でお仕事か。

 ♪ 空にゃ今日も アドバルーン
   さぞかし会社で 今頃は
   おいそがしいと 思うたに
   あゝ それなのに それなのに
   ねえ おこるのは おこるのは
   あたりまえでしょう    ♪
      (作詞:星野貞志)

北海道は浜頓別出身で浅草の芸者だった美ち奴が
「あゝそれなのに」を歌ったのは昭和12年。
盧溝橋事件により日中戦争が始まった年だ。
なぜか昭和26年生まれのJ.C.は
この曲を幼稚園時代の持ち歌としていた。

そう、そう、谷中銀座のメンチカツだった。
会社で忙しく働いているお父さんたちをヨソに
徒党を組んでメンチカツにかぶりつくお母さんたち。
これじゃ怒るのは父さんのほうだろうヨ。

=つづく=