2014年9月1日月曜日

第915話 こち亀タウンに出没 (その1)

 ♪ しゃれた日焼けに 涙が流れる
   あ~ 秋かしら
   やさしく説くように 別れを告げた
   あなたでした
   心の水面に さざ波が立って
   あ~ 秋ですね
   鏡を見つめて小さな声で
   一人でつぶやく 秋の詩
   季節の変わり目を
   あなたの心で 知るなんて
   もう恋も もう恋も 終わるのね ♪
         (作詞:中山丈二)

高田みづえが歌った「秋冬」のリリースは1984年。
大関・若島津の女将さんとなって
芸能界を退いた彼女だが、この曲がヒットするまでは
一流ヒットメーカーの作曲力に
それこそオンブにダッコに肩車状態だった。

歌手としてのパーソナル・ヒストリーをたどってみると、
デビューは1977年、宇崎竜童作曲の「硝子坂」。
それからほとんど鳴かず飛ばずだったが
復活したのはご存知、サザンの桑田による、
「私はピアノ」で、それが1980年。

翌年のリトルヒット、「涙のジルバ」は作詞・作曲ともに松宮恭子。
コレはいい曲だったけどねェ。
そのまた翌年、1982年の「ガラスの花」は谷村新司の作曲。
佳曲ながら”谷村色”が強すぎるきらいがあって永くは続かない。
そしてそのまた翌年の「そんなヒロシに騙されて」は再び桑田だ。

しつっこいけど、その翌年の1984年が上記の「秋冬」というわけ。
なおもしつこいけど、翌年の1985年初頭には
若島津との婚約発表により、歌手生活の幕を閉じることになる。

おっと、今話のテーマはみづえチャンに非ず。
先日、本郷のそば屋でせいろを1枚いただいて
西片方面に歩み出すと、東大のキャンパス方向から
ゆく夏を惜しむかのようにミンミンゼミがかしましい。

ところが陽が沈んでしばらく、こんどはコオロギが鳴きすだく。
昆虫界でもオスは過酷な”人生”を送っている。
セミとコオロギ、水商売の早番・遅番じゃあるまいし、
うまいこと、昼夜をすみ分けて生きているんだネ。
一年を通じてこの時期だけの現象で
今はまさしく季節の変わり目なのでしょう。

それにしても「秋冬」の歌詞にあるように
季節の変わる毎に男女が別れを迎えていたんでは
男も女も気の休まるヒマがない。
殊に男の場合は身体の休まるヒマがない。
おっと、不本意ながら、またシモネタの雲行きになった。
本題はサブタイトルにある如く、こち亀タウンなのでした。

=つづく=