2014年9月15日月曜日

第925話 こち亀タウンに出没 (その11)

乗り込んだのは三ノ輪行き電車だ。
途中、町屋で千代田線に乗り換え、こち亀タウンに到着。
西の空は夕焼け小焼け。
山のお寺の鐘は鳴らずとも日はとっぷりと暮れていた。
ここでJ.C.、
 ♪ カラスと一緒に帰りましょ ♪
というわけにはいかない。
目指すは先日、空振ったおでんとお好み焼きの「まづいや」だ。
地元では知らぬ者とてない人気店である。

ビールの大瓶をお願いし、おでんのみつくろいに入る。
ラインナップは全29種類
一番安いなるとが50円で
一番高いたこは500~800円と幅広い。
はて、何にしようかな・・・。

あまりおでん屋には行かないが、一応、好みのおでん種はいくつかある。
トップファイヴは順不同で
白滝・つみれ・すじ・揚げボール・ふき。
セカンドファイヴが
昆布・厚揚げ・はんぺん・ごぼ巻き・ちくわぶ。

上記はすべて関東地区の庶民的なおでん屋でのハナシ。
これが関西風の高級店になると選択肢がグッと広がる。
鯨のコロやサエズリ、冬場の真がき、
真鱈の白子、助宗鱈の真子などが必食アイテムになるのだ。
ただし、調子に乗ってこういうぜいたく品をバカスカ食べると、
会計時に目ん玉が飛び出てしまう。
よってこの手の店はなるべく避けるようにしている。

銀座の有名店の中には同じ銀座の鮨屋並みとまではいかずとも、
浅草の鮨屋と同等の金額を請求してくるところが少なくない。
コロや白子はよくぞ日本に生まれけりの珍味ながら、
支払い額が変わらないのならば、
下町の鮨屋で江戸前シゴトを施された小肌や穴子を味わうほうがよい。
それが東京のの酒呑みの矜持でもあろうヨ。

ビールを飲みながらしばらく店内の様子をうかがっていた
どうやら「まづいや」は家族経営のようだ。
亭主と女将、それに息子だろう、3人で切盛りしている。
この息子がなかなかに面白い。
いえ、言葉を交わしたわけじゃないけれど、
とにかくユニークなヘアスタイルをしている。
ギタレレ漫談のピロキとおんなじヘアなのだ。
気になる方はググッてみてください。

最初に選んだおでん種はかくの如し。
つみれ・はんぺん・白滝  
なかなかのボリュームで
殊に2カン付けのつみれは食べ応えあり。
早くも満腹感に見舞われる。
そこへドヤドヤと団体サンのご入来であった。

=つづく=