2014年9月22日月曜日

第930話 テキーラを飲む (その1)

前話でドラゴンフルーツはサンカクサボテンの果実と書いたところ、
世田谷区在住のT木H恵サンから
「主産地はテキサスやメキシコでしょうか?」とのお問い合わせ。
テキサスは存じませんがメキシコは仰せの通りであります。

T木サンはベトナムのホーチミンシティ(旧サイゴン)で食された由。
J.C.も20年前にこの街を訪れた際、市場でたびたび見掛けた。
そう、ドラゴンフルーツの主な産地は中南米と東南アジアなのだ。
ちなみに前話で食べたヤツは沖縄産だった。

それにつけても長いこと滞在した東南アジアで
サボテンを見ることはついぞなかった。
どこか人里離れた土地で栽培されているものと思われる。

サボテンといえばメキシコが世界に誇る、
銘酒・テキーラの原料がサボテンだと信じている方が多い。
実はテキーラは竜舌蘭なる植物から造られる。
この大型の植物の出で立ちが
サボテンに似ていなくもないから誤解が生じたのであろう。

竜舌蘭という和名の由来は定かではない。
蘭とは似ても似つかなぬブチャイクな潅木である。
見た目はむしろアロエに近い。
あるいは含有する豊富な糖分から
古来、砂糖きびのように利用されてきた。
酒の製造には非常に適していたわけだ。

テキーラといえば、この夏はずいぶんお世話になった。
わが家には現在2本のテキーラがある。
ブランドはともにサウーザでゴールドとシルバーの2種類。
ラム酒同様に当然、色の濃いゴールドのコク味が深い。

ところがこの夏、お世話になったのはシルバー。
何となれば、こちらのほうが他の飲料と割るときに
クセがないぶん好都合なのだ。

もう半世紀近くも前、「スター千一夜」だったかな?
TVでメキシコ帰りの三船敏郎がテキーラの飲み方を披露していたっけ。
左手の甲に一つまみの塩を乗せ、
こにレモンを一搾りしたら一口なめる。
すかさず右手に持ったグラスのテキーラを一気飲みするのだ。

三船がメキシコを訪れたのは
おそらくチャールズ・ブロンスン、アラン・ドロンと競演した、
映画「レッド・サン」のロケだったと思われるが
レモンはライムの間違いであろうヨ。

J.C.が夏のあいだに愛飲していたテキーラは
世界の三船が体験したようなストレートのショット飲みではない。
テキーラベースのカクテルとなれば第一感はマルガリータ。
エッ、ピッツァのハナシかヨ!  ってか?
アレはマルゲリータっ!

=つづく=