2014年12月22日月曜日

第995話 北の横丁をさすらう (その3)

胸に不満を抱えて向かったのは文化横丁、通称・文横だ。
おっと、まだ仙台の第一夜、2軒目探しである。
旅程は3泊4日のつもり。
この街は何度も訪れているのに、この横丁で飲むのは初めてだ。
横丁からおもての商店街を臨む
慎重に慎重に店選びに入る。
琴線にふれたのはこの店だった。
餃子元祖の「八仙」
いきなり入店したのではない。
横丁を行ったり来たりしたすえに白羽の矢を立てた。

ガラス戸を引くと1本のカウンターが左右に一直線。
オバちゃんのリードに従い、左側に席をとる。
あ~、昔の中華屋の匂いがプンプン、なんだか落ち着くねェ。
こんな空間に身を置けることのシアワセよ。

真後ろのビールケースを振り返る。
ややっ、アサヒドライ・キリンラガー・サッポロ黒ラベル・
サントリープレミアムモルツ、すべてが肩を並べている。
ご立派、原っぱ、ヨーロッパ、飲食店たるものかくあるべし。
ビールなんてものはおのおの好きな銘柄を飲めばそれで済むこと。
やれ、アサヒは水っぽい、これ、キリンは苦すぎる、
そんな論争は不毛の極み、論ずること自体がバカげている。

いつもの銘柄をお願いすると、
突き出しはたっぷりの菜花ひたし。
肉はさんざ食ってきたから、野菜の補給がありがたい。

J.C.の右隣りは30代のリーマン、左は20代のOLだろう。
驚いたことに二人ともそれぞれにビールも飲まず、
あんかけの汁そばをすすっている。
メニューを確かめて判明したが酢辣湯麺(サンラータンメン)だった。
通常、サンラーのサンには”酸”の字が使われる。
ここでは”酢”であった。
これは元祖の餃子に匹敵する店の名物とみましたネ。

例によって菜譜のご紹介。

 焼餃子 580円  水餃子 740円  蒸餃子 1160円(2人前)
 クラゲの甘酢だれ 850円  むし鳥 750円  ニラモツ炒め 720円
 酢豚 1030円  八宝菜 1250円  麻婆豆腐 850円
 五目(海鮮)ヤキソバ 1050円  カニチャーハン 1050円
 梅しそチャーハン 750円  ラーメン 550円  広東メン 850円
 上海メン(しょうゆ味炒めのソバ) 680円  ビーフン 1000円

さすがに餃子の専門店、焼・水・蒸と三拍子の揃い踏みである。
オーソドックスな焼餃子を所望した。
8カン付けの大判振る舞い
カタチ細長く、やや大きめのが皿に所狭しである。

=つづく=