2014年12月31日水曜日

第1002話 北の横丁をさすらう (その10)

2014年も今日でお別れのどん詰まり。
おとといだったか、TVを観てると桂歌丸師匠がボヤいていた。
入退院を繰り返した今年は人生最低の年であったと―。

ここでわれ想う、ゆえにわれもまたボヤく。
2014年は実に最低の年だった。
まっ、それもあと15時間あまりで往く年来る年、
グッバイ・ホース! ハロー・ラム! である。
来年は余計なことは言わず、
厳に口を慎み、極力トラブルを避けるように努めたい。
口は災いの元、沈黙は金というからネ。
何たって、”羊たちの沈黙”って映画があったし・・・。

とは思ったが、言うべきことを言わなきゃ自分を棄てたも同然。
結局は薬局、通年どおり、
いや、それにも増して舌鋒に磨きをかけようと考え直した。
三つ子の魂、百までである。

今話もまだ杜の都のつづき。
いったん始めちゃうとなかなか終わらせないのが悪いクセだ。

一訪で気に入ってしまった文化横丁の「八仙」でくつろいでいる。
ビールの突き出しは一昨夜と同じ菜花のおひたし。
基本は春のモノが初冬のみちのくに登場するのだから
わが列島の季節感も年々怪しくなっているのが判る。
まっ、不味くなけりゃいいんだし、
出来合いのおざなりな小鉢を出されるよりはずっとマシ、
豊富なビタミンと植物繊維の効果も期待できるとあって
ありがたくビールの友とした。

選んだ一品料理はニラモツ炒め。
カウンター内で一心不乱に餃子を包む店主夫妻に
「ニラモツ炒めってどんなんでしょう?」―こう、ハナシを向けると、
「ニラレバ炒めみたいなもんです」―即答された。
つややかなニラにモツがパラパラと
東京の下町では純レバなる一品を見掛けること珍しくないが
こちらは純レバならぬ純ニラに近い。
レバのほかにハツや砂肝も散見される。
モツ類はみな酢豚のように下揚げが施されていた。
柔らかなニラの風味が活きており、グッド!

ついでに一昨夜、永ちゃんコンサート帰りの旦那がすすっていたラーメンを所望した。
変哲のない中華そば風
ドンブリを縁取る雷門模様が食欲を刺激する。

ところが好事魔多しのころわざ通りにコレで外した。
麺もスープも標準を超えているのにシナチクがいかんせん甘すぎ。
せっかくのラーメンをぶち壊してしまった。
しかしながらシナチクの邪魔さえなければ、
仙台指折りのラーメンと推奨しておきたい。

それではみなさん、よいお年をお迎えください。
仙台も年またぎになっちゃいやす!

=つづく=