2017年4月28日金曜日

第1611話 ラブホ三連荘 (その1)

その日は注文してあったシャツをピックアップに有楽町へ。
ここでブランク永井の「有楽町で逢いましょう」をやったら
ひんしゅくを買うからやめておく。
数ヶ月前に披露したばかりだからネ。

立ち寄った店は地番は有楽町なれど、
一般には日比谷と呼ばれるエリアにある。
よって知る人とて多くはないと推測される、
新川次朗にご登場願おう。

  ♪    雨の外苑 夜霧の日比谷
     今もこの目に やさしく浮かぶ
     君はどうして いるだろか
     あゝ 東京の灯よ いつまでも ♪
         (作詞:藤間哲郎)

数少ない石川県出身の歌手、
新川次朗の「東京の灯よいつまでも」は1964年、
東京五輪の年にリリースされた。
この歌には外苑、日比谷のほかに羽田のロビーが登場する。
やはりオリンピックを意識したのだろうか。

フン、結局はやりやがったな! ってか?
まあ、そうおっしゃらずに―。
歌は世につれ、世は歌につれ、
桃太郎さんはキジをつれ ってネ。
いや、桃さんはキジだけじゃなく、
イヌもサルも鬼ヶ島に連れてったよな。
しかし犬猿の仲同士がよくも素直に同行したものよのぉ。

遅い昼食を取ろうと日比谷界隈をブラブラ。
ガード下の「天米」の店先にたたずんだものの、
天丼はちと重いので思い直した。
はるか昔にお世話になった、
食堂「いわさき」のワカレも同様だ。
ワカレというのはいわゆるかつ煮定食。
かつ丼のアタマとごはんが分かれているのでこの名がついた。

時刻は14時半。
例によって遅い昼めしよりも早い晩酌に切り替えよう、
そう思いついたのだった。
土曜の昼下がりのこととて
銀座7丁目の「ライオン」はゴッタ返しているだろう。
中休みをとらない「三州屋」なら席にありつけようが
先日、蒲田の本店を訪れたばかりだし・・・。

結局は薬局、有楽町から山手線に乗り込んだ。
目指すは御徒町である。
何となればJ.C.のやすらぎの郷、
もとい、やすらぎの酒場がまもなく開店するからだ。

=つづく=