2017年11月7日火曜日

第1738話 京王線で三球三振 (その1)

先日もしたためた因縁の京王線である。
この歳になって初訪問した高幡不動だったが
人生ってのは面白いもんですなァ。
ひと月も経たぬうちに再訪する機会、
いや、破目と言ったほうがいいかもしれない。
とにかくまたもや京王線・高幡不動駅に降り立った。

目的地は多摩モノレールで高幡不動から
立川方面に向かって一つ目の万願寺駅。
地図を手に取ると徒歩15分ほどの距離なので歩いた。
途中、浅川という、その名の通りに川底の浅い川を渡る。

橋の欄干から見下ろすと、流れる水の清らかなこと。
濁りというものがまったく見られない。
調べてみたら東京都・八王子市と
神奈川県・相模原市の間にある、
陣馬山(じんばざん)あたりが源流。
見下ろした地点からしばらく東に流れて多摩川に合流する。
過去にたびたび氾濫して流路を変えてきたという。

所用を済ませ、来た道を高幡不動に戻った。
不動尊には行かずに短い時間、駅界隈をぶらぶら。
本日の目標はここではなくヨソにあるからネ。
そう、京王線沿線で一杯飲ろうという腹積もりであった。

準特急電車、だったかな?
下車したのは調布駅。
数日前に商業施設、トリエ京王調布が
オープンしたばかりなのでけっこうな人出だった。

最初に向かったのは調布銀座。
本物レトロと偽レトロが入り混じって
飲食店が軒を連ねている。
いろいろと物色してはみたものの、どうも気に染まない。

「牛たん処 い志井」の前でメニューボードをながめていたら
中から可愛い女性スタッフがビジネスカードを手に出てきた。
入店をすすめられたものの、やんわりお断りして立ち去る。
そう、この街は”い志井グループ”が席巻しているのだ。
業種は違うが浅草の芋ようかん「舟和」に近いものがある。

「い志井」はもともと焼きとん店。
それが焼き鳥や牛たんにも手を伸ばして発展してきた。
それはそれでけっこうなハナシながら
J.C.の嗜好には合わない。
鉢巻きのジイさんが煙に巻かれながら
しかめっ面で串を焼く。
傍らではバアさんがビールの栓を抜いている。
そんな店が好きだ。

=つづく=