2017年11月21日火曜日

第1748話 鮭・鱒・サーモンを一日で (その3)

サケ・マス類を朝・昼・晩と三連荘。
いやはや、こんな日もあるんだねェ。
まっ、自分で択んだんだから仕ッ方なかんべサ。

 生ビールと電氣ブランのあとは
美味しい日本酒をいただきたいと相方が主張する。
ちょうど潮時、2軒目に移動した。
彼女の案内で赴いたのは「吾妻屋」は
おでんと地酒がウリという。

雷門の筋向かいにスタバがあるが
小道を挟んでその隣りに店舗はあった。
カウンターが数席にテーブルが2卓だったかな?
あまり居心地がよくない卓に席を取る。

一杯目は屋守(おくのかみ)の冷たいのを―。
東京は東村山の豊島屋酒造の手になる酒だ。
東村山となれば第一感は志村けん。
豊島屋酒造といえば第一感は桃の節句の白酒。
第二はその名も目出度い金婚正宗だろう。

屋守は10年ほど前に製造開始された比較的新しい銘柄。
サラリとした口当たりのわりに
複雑なミネラル感があとを追いかけてくる。
あまり地酒を飲みつけない舌にも違和感なくなじんだ。

お通しは小さな冷奴と切干し大根。
まっ、こんなモンだろう。
品書きとにらめっこしていた相方が刺盛りを注文した。
まさかサーモンが一役買っていなかろうが
はたして陣容はコチ・アジ・マダイ・クロソイ・カンパチの5種。
白身と青背のバランスよく、
サーモンの出る幕もなくホッとする。

おでんは大根・つみれ・はんぺんをつまむ。
下町風ではなく上方の関東だきといった感じだ。
おでんなら燗酒といきたいところなれど、
芋焼酎が飲みたくなった。
お願いしたのは宮崎の山ねこである。

考えてみれば最近はあまり焼酎を飲んでいない。
ひと昔前は鮨屋でも天ぷら屋でも
もちろん居酒屋でも軽くビールを飲って
すぐに芋のロックに切り替えたものだ。
これが大衆酒場となると、酎ハイやホッピーが常。
甲類といえども焼酎は焼酎だからネ。

ひとときを過ごし、さァお開きと思いきや、
相方はカラオケに流れてみたいという。
彼女は一時期、長唄を習ったくらいだから
歌好きなのは承知していたが
そちらが長唄ならこちらは小唄の稽古に励んだこともある。

要望を叶えてやったものの、いささか酔いが回って
二人が何を歌ったのか、まったく記憶にない。
それはそれとして、まあ楽しい一夜ではありました。

=おしまい=

「吾妻屋」
 東京都台東区雷門1-13-10
 036802-8147