2018年12月7日金曜日

第2019話 佃に来たならレバーでしょ (その2)

佃島は佃仲通りに面した「亀印食堂」、
時刻は14時半を過ぎていた。
”瓶じゃだめですか?オバちゃん”が
運んでくれたレバー炒めの皿を一目見て唖然。
野菜もたっぷりと山盛りである。
メニューに確か、レバー野菜炒めもあったハズ。
それならどんだけ野菜が入ってるんだ。

何だか見ただけでげんなり。
しかもレバーの切り方が大雑把で
大片、小片入り混じり、火も通り過ぎの様子だ。
あ~あ、やっちまったヨ。

案の定、食感は悪いし、
味付けもイマイチどころかイマサンときた。
これを食べ切るのはまずムリだネ。
野菜だってほとんどが白菜。
そこににんじんが少々散見されるだけ。
当店はうどんやオムライスで腹を満たしに来るところらしい。
酒飲みにはまったく向かないと認識した。

15時を回って一人のオジさんが来店。
同時にJ.C.の背後からオバちゃんの声がした。
「休憩時間なんですぅ!」―
振り向けばオバちゃん、真後ろでTVを観てるじゃないか。
こちらもあわてて残りのビールを飲み干し、
尻っぽを巻いて退散の巻である。

はて、どうしたものか?
佃もそこそこ歩いたし、隣りの月島に移動するか?
結局は薬局、地下鉄・都営大江戸線に乗り込んだ。
極上の生ビールを求めてネ。

下車したのは上野御徒町駅。
ここには行き付けの「味の笛」がある。
工場直送のスーパードライが飲めるんだ。
プラコップはさびしいけれど、250mlほどで250円だもの。
気軽にスイスイ飲めてしまう。

まずは一気に1杯。
続いて黒生と合わせたハーフ&ハーフをゆっくり1杯。
何かつまみを取らなきゃ悪いのでフードボードを物色する。
おっと、この時期に桜マスがあるじゃないか。
もちろん、生ではなく一夜干しだ。
それも以前は丸1枚だったが本日は半身にカットされていた。
迷わず桜マスと好きな新潟の酒、麒麟山の冷たいのを。
期待した桜マスは滋味浅くして、ややパサつき気味。
ちょいとばかり空振った感否めず。

経営母体のサカナのデパート「吉池」に立ち寄り、
メキシコ産養殖本まぐろ赤身のサクを購入する。
身が肉割れしており、間違いなく旨いハズだ。
今日は早目に帰宅して、家飲みで締めるつもりなり。

「亀印食堂」
 東京都中央区佃2-10-4
 03-3531-2894

「味の笛本店」
 東京都台東区上野5-27-5
 03-3837-5828