2018年12月18日火曜日

第2026話 渾身のミートソース (その2)

そうか、「友路有」ねェ、
浅草の新仲見世あたりで見掛けたっけ・・・。
ちょいとばかり親近感を湧かせながら
相方を伴って赤羽本店を訪ねた。

13時を回っているというのに店内はほぼ満席。
窓際の1卓に案内されて間髪いれず、ビールを2本。
喫茶店だけに小瓶である。

こちらはハナからスパゲッティ・ミートソースと決めてるが
メニューに目を通すと、
= 牛肉100%。スパイス多数、渾身の仕込みの一品です。 =
さいでっか、恐れ入りやした。

予想通りに相方が択んだナポリタンには
= 当店自慢の長寿メニュー。先代からの味を守っています。=
ふ~ん、なるほどネ。

そして卓上のペーパーナプキンにはこうあった。

起きぬけに飲む珈琲は
何ともいえず心を浮き立たせる。
午後の一杯、晩の一杯も心を和ませてくれるが
やはり朝の珈琲は格別だ。
  オリバー・ウェンデル・ホームズ(1891年)

「朝食テーブル」シリーズの著者が
おっしゃることには説得力があるものの、
珈琲より麦酒を愛する身には
ほとんど馬の耳に念仏かもしれない。

2種類のスパゲッティがやって来た。
スープとサラダが付いている。
コンソメ風のスープは
おでんのつゆを薄めたみたいで感心しない。
レタスにきゅうり・にんじん・コーンが混じったサラダは
ドレッシングが昔のホテル風でよかった。

さあ~て、渾身のミートソースである。
麺は当然、フライパンであおられて昔ながらだ。
うむ、うむ、ソースは重厚感が際立っている。
途中、お決まりのクラフト・パルメザンと
タバスコを駆使して舌先を変えながら味わってゆく。
期待通りのミートソースにサティスファクションの巻なり。

お互い4分の3づつ食べ進んだところで皿の交換。
ナポリタンも悪くはないがミートソースの優勢勝ちである。
それより到着時には数尾、
見え隠れしていた小海老の姿が見えない。
どうやら海老好きの相方が一網打尽にしたらしい、ったく。
まっ、海老に執着はないし、
ナポリタンに必須の具材でもないから、いいんだけどネ。

「昔ながらの喫茶店 友路有」
 東京都北区赤羽1-1-5大竹ビル2F
 03-3903-5577