2018年12月20日木曜日

第2028話 麻布十番のきみちゃん (その2)

童謡「赤い靴」のモデルとなった女の子、
きみちゃん像のあるパティオ十番。
その広場に面した「bistro あわ」で
1杯500円のスパークリングを立ち飲んでいる。
銘柄は南米・チリのヴァルディ・ヴィエソだ。

チャージがない代わり、
客は300円のチャーム(レシートにはチャージとあった)を
1品取らなければならない。
ミックスナッツと迷った末、ピクルスにした。
内容はきゅうり・にんじん・紅芯大根。
赤には向かないが、泡なら何とかなるだろうヨ。

軽く1~2杯飲むつもりだから
ほかに通したのは炭火焼き鳥を1本だけ。
鳥のハラミ、いわゆる横隔膜は
クニュクニュの食感が好きだ。
焼き鳥屋で見かけたら必ず注文に及ぶ部位である。

ピクルスで泡を飲み終え、ハラミの到着とともに
ニュージーランドのピノ・ノワール、ストラタムをお願い。
1杯750円はちと高い気がしたが
リーデルを模したグラスにたっぷり注いでくれた。
渋みが強く、舌がタンニンを感知する。
まっ、ハズレではないけれど―。

支払いはタックスが加算されて2千円弱。
しっかり麻布プライスとなっており、
立ち飲みだからと侮れない。
店を出て振り向くと、店の2階は十番で人気の居酒屋、
「あべちゃん」の別館だった

このあとは東麻布の鮨店でにぎりをいただく予定。
新一の橋を渡って東に歩いてゆく。
欧米人に人気の「日進デリカテッセン」の前に差し掛かった。
おやっ、通りの反対側に移転してるじゃないか。
久しぶりに立ち寄ってみようかな。

ここは精肉の品揃えが相当に豊富。
冷凍品だが珍しいモノが並んでいる。
フランスのハト、スペインのウズラ、台湾のカエル、
オーストラリアのワニといった塩梅だ。

米国産の仔牛があったものの、身肉に赤みが差している。
乳呑み仔牛だと、こうはならない。
すでに穀物を与えられているのだ。
迷ったけれど、米国産成牛のフィレ肉を購入した。

翌日はグリルとパンフライドのステーキ2種。
翌々日はぜいたくにもストロガノフを楽しんだ。
ストロガノフは安価なもも肉でじゅうぶんだが
やはりフィレのストロガノフは一味違う。
ちょいとアレンジしてイタリア産乾燥ポルチーニと
セミドライ・トマトを加えてみたら、これが大正解。
おかげでネッビオーロを飲み過ぎちまったヨ。
大正解のあとに大散財が追いかけて来やがったぜ。

「bistro あわ」
 東京都港区麻布十番2-2-8
 03-5442-7480

「日進ワールドデリカテッセン」
 東京都港区東麻布2-34-2
 03-3583-4586