2019年5月7日火曜日

第2126話 もうコリゴリの築地場外 (その1)

10連休を通して休めた方も、そうでなかった方も、
今頃、かったるい思いでこのページに
アクセスされていることでしょう。
休み明けにかける言葉じゃないけれど、
いや、お疲れさまでした。

連休初日、何をとち狂ったか、
長いこと足を向けなかった築地場外市場に
落胆覚悟で行ってみようという気になった。
よせばいいのに―。

場内の移転後も観光客の数が減るどころか
逆に増えていると伝え聞く。
昔は足繁く通った築地の魚河岸だが
見て回ったり、買い物したり、
飲み食いするのはほとんど場内。
飲食店に限っては場外の店も一通り利用したものの、
リピート率は低かった。

さて、行くと決めた以上は行く店も決めておこう。
以前、何度も書いているが、J.C.は築地で鮨を食べない。
場外の大型チェーン店は論外で
場内の優良な個人経営店をすべて訪れた末に
抽出した結論である。
もっとも場内にあった鮨屋はみな豊洲に移転したけどネ。

なぜか?
語れば長くなるのでここは一文で済ませ、先に進みたい。
築地の鮨は魚河岸鮨(そのまんま生)であって、
江戸前鮨(〆る・煮る・漬け込むの仕事アリ)ではないからだ。
以上!

よって、今回も鮨屋に立ち寄るつもりはサラサラない。
おっと、”サラサラない”は魚河岸じゃ禁句だった。
エッ? そりゃ、市場じゃなくて都庁だろ! ってか?
おっしゃる通りでありました。

自分の頭の中を整理し、
記憶をたどって、1軒の中華そば屋に絞り込む。
その名は「幸軒(さいわいけん)」。
昭和25年創業ということは来年、めでたく古希を迎える。

食べログのおかげで誰もが迷子にならずに
到達できるようになったが
一昔前まではよほど場外に精通していないと、
発見困難な判りにくいところにある。

かく言うJ.C.も此度、道筋を1本間違えた。
それにしても何だヨ、この人の波っ!
ちっとも身体が前に進まんぜ。
どうにか見覚えのある乾物店の中を抜けて到着。

あれれ、オヤジさんが店先の丸椅子に座り込んでるヨ。
軽く会釈して、委細構わず入店しようすると、
背後から声が掛かった。

=つづく=