2019年5月28日火曜日

第2141話 山ほどの山菜をいただきまして (その1)

秋田の友人から地元で穫れた山菜が送られてきた。
木の芽・こごみ・行者にんにくの3種類。
普段はあまり口にできないものばかりである。
これは久々に腕をふるわねば―。

まず、木の芽。
言わずと知れた山椒の若芽はJ.C.の好物で
酢味噌に混ぜ込み、いか&竹の子と和えるのがよい。
いかとなればこの時期、まだ名残りの蛍いかが第一感。
さっそく近所の鮮魚店に出向くと、福井産の蛍いかがあった。

へ~え、福井のホタルねェ。
富山・兵庫はしょっちゅう目にするが福井は初めて。
調べてみたら、ほかに石川・鳥取の両県でも揚がるらしい。
福井産はサイズ的に富山と兵庫の中間くらい。
値段もそうだった。

あまり立派なものではないがキッチンにある、
一応、真っ当なすり鉢とすりこぎで
木の芽をすりながらハタと思い当った。
このすりこぎは山椒の木で出来ているハズ。
山椒の木で山椒の若芽をいたぶっているワケで
何だか妙な気分になってきた。
豆を煮るにまめがらを焚く
古代中国の故事が連想された。

さておき、木の芽酢味噌で整えた、
蛍いかの素晴らしかったこと。
たとえ、おろし立ての本物だとしても、
山葵や生姜のはるか上を行った。

お次は、こごみ(屈)。
こちらはクサソテツ(草蘇鉄)の若芽。
”ものほどさように”、山菜は若いものに限るようだ。

ちょいとお歳を召した女性を
”薹(とう)のたった”と表現するが
この薹は蕗の薹のこと。
まっ、女性に関しては年齢を重ねても
魅力を失わない人は数多いけどネ。

こごみが蘇鉄の仲間の若芽と知ったのは
わりと最近になってから。
今まで何度か食して美味しさを感じたことは一度もない。
おひたし、胡麻和え、天ぷらあたりが
一般的な調理法だろうか。

挑戦したのは最初に天ぷら。
自分で天ぷらを揚げるのは本当に久しぶりだ。

=つづく=