2019年8月9日金曜日

第2194話 選挙のあとの紹興酒 (その2)

ここ数年、外国人観光客、
それも欧米からの来客が目立つ谷中銀座にいる。
狭い所に大挙して押しかけて来るから
人口密度は極めて高いものの、
銀座みたいに中国語の飛び交いがないのは救いだ。

界隈ではイチ推しの町中華「一寸亭」の小上がり。
差し向かいでビールを飲んでいる。
「ねェ、ねェ、オカムラ~!」
じゃなかった、
「ねェ、ねェ、オカザワ~!
 この店で一番美味しいものはな~に?」
チコちゃんならぬ、S代チャンに問われて
一番人気のタンメン、
J.C.が気に入りの餃子、ニラレバあたりを推奨する。

相方の提案で各自2品づつ、
好きな料理を注文することにした。
結果、
S代-海老チリ ニラレバ
J.C.-中華腸詰 トンカツ
の4皿に決定。

実はメニューに”トンカツ”を発見して小躍りしていた。
へへへ、初心貫徹が果たせたからネ。
しかも中華屋のとんかつには意外と当たりが多い。
接客のオジさん曰く、
「海老チリとトンカツは、ちょっとお時間いただきます」- 
なるほど「一寸亭」だけに、”ちょっとお時間”なんだネ。
言われた通り、まず腸詰が登場。
他店では香腸と呼ばれるヤツだが
当店のものはボイルしてあるのか間延びした味。
それでもビールとの相性よろしく、それなりに楽しめた。

続いてニラレバが運ばれ、このとき紹興酒をお願い。
当方、常温のストレート。
相方、ぬる燗プラス氷砂糖。
ニラレバはニラに比べてモヤシの量が多いが
豚レバの火の通しけっこうで味付けもよい。

しばらくしてトンカツと海老チリがド~ンと揃い踏み。
ところがどちらもイマイチだった。
カツのコロモがガシガシで、はがれやすい。
豚肉自体はわりと良質なだけに、ちと残念。
海老はおそらくベトナムあたりのブラックタイガー、
それも解凍品だろう。
チリソースには刻みねぎがたっぷり投入されてキレがある。
数あるメニューの中では断トツの2400円だから
そこそこ頑張ってもらわなきゃ困るヨ。
紹興酒をお替わりし、どうにかこうにか完食した。

谷中のランドマーク、夕焼けだんだんを上る。
振り向いても夕陽はすでに完落ちしていた。
日暮里駅まで相方を送り、帰宅の途に着いたのでした。

「一寸亭」
 東京都台東区谷中3-11-7
 03-3823-7990