2019年8月14日水曜日

第2197話 バスに乗ったが つまづきの元 (その1)

この日は夕刻から酌友・W辺サンと東京随一の酒亭、
豊島区・大塚は「江戸一」にて旧交を温める予定。
土曜日の「江戸一」は
開店時間が30分繰り上がって16時半になる。

家でゴロゴロしていても仕方ないから
13時過ぎにはシューズを履いた。
板橋区・大山東町の中華料理店「K」で
餃子をつまみにビールを飲むつもりでいた。
ランチ営業は14時までだから、まっ、余裕でしょう。

炎天下、最寄り駅に向かって不忍通りを歩いていると、
20mほど先の停留所にバスが止まりつつある。
何をとち狂ったか、猛然とダッシュする自分がいた。
条件反射で身体が勝手に走り出したんだねェ。

バスは浅草寿町発、池袋駅東口行き。
ときどき利用する路線で
普段から乗りつけているからこそ、
身体が反応したともいえる。

しかしながら、これが失敗の始まりだった。
車内はわりと空いており、
後部座席の端に着座したはいいけれど、
JR巣鴨駅の手前あたりから次第に混み合ってきた。
道路も混んでおり、いつもより時間がかかっている。

終点の池袋から東武東上線で大山に行く予定だが
バスが着くのは東口、東上線は反対の西口。
人波あふれるコンコースを縦断せねばならず、
乗り換えに手間取ることもある。
「K」の営業時間中に到着できないかもしれない。

機転を利かせて第二案。
西巣鴨で降車し、都営地下鉄三田線で板橋区役所、
そこから大山東町へと歩く。
これならじゅうぶん間に合うのだ。

ところがどっこい、巣鴨駅南口で
トンデモない夫婦が乗り込んで来たじゃないか!
2人が手にしていたのはでっかいスーツケース3個。
加えてそれぞれの背にバックパック。
すべて積み上げ、バスの通路を完全にふさいじゃってる。
おい、おい、そんな大荷物なら迷わずタクシーだろがっ!

結果、西巣鴨下車をあきらめざるを得なかった。
迷惑夫婦ともども終点まで行っちゃった。
東上線の各駅停車に乗り込んだのは14時ちょい前。
これでは「K」の餃子もあきらめるほかない。

ここで、どうしたものよのぉ・・・と途方に暮れはしない。
頭の中に代替店があったからネ。
大山駅より「K」とは反対側の商店街アーケード、
ハッピーロードを西へ進んだ。
目指すは大山西町のこれも町中華、「丸鶴」でありました。

=つづく=