2020年3月6日金曜日

第2344話 東京最古の商店街にて (その2)

最寄り駅は都営大江戸線・新御徒町の佐竹商店街。
そこに古くから店を構える「白根屋」にて一憩中。
1時間足らずの滞空時間に他客の注文状況をうかがうと、
一番人気はお好みセットであった。
 
A&Bがワンセットとなるコンビネーションは
Aグループがラーメン、焼きそば、焼きうどん。
Bグループはおにぎり、みつ豆、アイスクリーム、コーヒー。
A・Bから好みのものをそれぞれチョイスする。
ラーメン&おにぎりの注文が目立つ。
 
或るオジさんが焼きそば&みつ豆を通した。
どんなもんだろうか注目していると、
焼きそばに混じるナルトのピンク、脇添えのしょうがの紅、
遠目にもド派手で、つい笑いを誘われた。
いや、笑えたが、こんなのウッカリ頼めんゾ。
周囲の失笑を買うこと必至だからネ。
 
常連と思しきオバさんが席に着くなり、
「定食ぅー!」と一声。
何だソレ?  あわててメニューを再点検してみた。
定食は焼肉、野菜炒め、ニラ炒めと3種あるけど、
いったいどれを指すんだい?
何が運ばれるのか見逃がせなくなった。
 
すると、続いて入店して来た、
ポチャめで頬っぺのたるんだOL風が
「定食でお願いしまあす」ときたもんだ。
おう、おう、ブルータス、
もとい、ブルドッグ(失礼!)お前もか?
固唾を飲んで見守ると、はたして・・・
”定食”は焼肉定食のことだった。
オバさんもOLも美味しそうに召し上がられていた。
 
その”定食”が気になって再訪したのは翌週のこと。
面白いのは味噌汁付き670円が
中華スープ、いわゆる清湯だと650円。
もともとハズレが少なく、たとえハズレても
ダメージの浅い中華スープでお願いした。
 
整った焼肉定食は相当なボリューム。
豚ロースに玉ねぎとピーマンが同居している。
生野菜はレタス・キャベツ・トマト。
そこにマカロニサラダがチョッピリ。
ライスはやや多めの盛り付けだ
 
特筆すべきは新香で、これが半端じゃなかった。
きゅうり&大根のぬか漬け、白菜漬けに
たくあんまで加わり、それぞれ数切れづつ。
昭和も、その前半に生きた庶民なら
これだけでどんぶり飯をやっつけただろう。

肝心の豚肉は火が通り過ぎて硬く味つけもイマイチ。
とは言うものの、オバちゃん・OLどころか
若いリーマンが納得する食べ応え。
栄養バランスも申し分ない。
東京最古の商店街に今も息づく古き良き佳店あり。

「白根屋」
 東京都台東区台東3-30-11
 03-3831-6709