2020年3月20日金曜日

第2354話 雨のち雪の午後 (その2)

雪は降り続いている。
「ホトリ」の隣りのピーコックストアに退避した。
イオングループに属するスーパーだが
知らない町のスーパーをのぞくのは好き。
そのエリアの生活水準が読み取れるからネ。

鮮魚コーナーで珍しいモノを見つけた。
オホーツク海やベーリング海に棲息する栗ガニだ。
毛ガニに似てとても美味なカニで
仲間の大栗ガニは毛ガニのこと。
味噌汁用の小ぶりなものが1尾200円と格安。
まだ生きており、かすかに動いていた。

悪天候のため、この日は歩き回ることがない。
従って多少の荷物は厭わないから買い求めた。
ほかにも大分産養殖本まぐろ赤身のサク。
鹿児島産養殖かんぱちのカマ。
北海道産子持ち黒がれいの切り身。
今宵の家めしに確定の赤ランプが点った瞬間である

雪の降りざまが激しさを増してきた。
ベチャッとしたシャーベット状の雪である。
脳裏をよぎるのは新沼謙治の「津軽雪女」。

♪   降りつもる雪 雪 雪 また雪よ
  津軽には七つの 雪が降るとか
  こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪
  みず雪 かた雪 春待つ氷雪  ♪

今降る雪はどの雪だろう?
あとで調べたら、べた雪(ぼたん雪)より水分を含む、
水雪であるらしいことが判った。

それはそれとして、今後の行動である
東武伊勢崎線(東京スカイツリーライン)、
そのまま直通運転でつながるメトロ日比谷線、
二つの沿線を思い浮かべると、
北千住、曳舟、浅草、三ノ輪、上野あたりが候補になる。

ここで思い当ったのはいつか行こうと決めていた喫茶店。
隣り駅、西新井の駅前にある。
灯台下暗しとはこのことだった。
晴れてりゃ歩くところだが、泣く子と降る雪には勝てない。

駅前で、しかも入口が二つもあるのに
小道が入り組んでいるため、判りにくかった。
雪降る中を傘を手に歩くと視野が狭くなるのだ。
5分ほどロスして発見。
喫茶&レストランの看板を掲げる「シルビア」は
パチンコ屋の2階にあった。

ドアを開けてビックリ、何だヨ、この広さ。
だだっ広いという形容が的を射ている。
どうなっちゃってんの、この店は!
いや、驚いた。

=つづく=

「ピーコックストア 竹ノ塚店」
 東京都足立区竹の塚6-7-1
 03-3884-2521