2020年5月11日月曜日

第2390話 厚さ3センチに挑む

今のご時世、昼はともかく夜ともなれば
当てずっぽうで出掛けるわけにはいかない。
必ず事前に電話を入れて、業の営・休を確認しなきゃネ。
 この夜はかつて隣接する池袋より繁栄した大塚の町へ。
駅北口に出てピンサロだらけの道筋をゆく。

「とんかつ 美濃屋」は東十条「みのや」を源流とする、
とんかつ一家の三代目が昨年開いた店だ。
西ヶ原(地番は豊島区・駒込)には初代の弟、
三代目にとっては大叔父に当たる人の店舗もある。

18時過ぎに到着すると8割の入り。
左手カウンターの一番奥に収まり、
ドライの中瓶を通してメニューとにらめっこ。

マカロニサラダ(100円) ポテトサラダ(200円)
つぶ貝チャンジャ(300円)
メンチカツ・ハムカツ・牛肉コロッケ(各300円)
タラフライ2枚、おつまみ唐揚げ(各300円)

いずれも魅力に乏しく食指はピクリともしない。
ロースかつをつまみに飲むのが得策と思われた。
単品でもいいが、とんかつ半分でビールを飲み、
残りを飯のおかずとするには3つの選択肢。

ロースかつ定食(800円)
特選ロースかつ定食(1080円)
もちぶたロースかつ定食(1800円)

群馬県産もちぶたの肉質は保湿性が高くしっとり柔らか。
説明書きにそうあった。
値段が値段だけにかなりのサイズだろうな・・・。
思いながらも出自が明らかなのはもちぶたのみ。
エイヤ!とばかり、清水の舞台から飛び降りた。

はたして・・・スゴいロースかつが登場。
6切れカットの厚さは3センチ。
目方も300g はありそうだが今さら悔やんでもあとの祭り。
いいヨ、いいとも、勝負したろやないかい。

油切りの金網が敷かれ、繊切りキャベツがこんもりと―。
串切りレモンと一刷毛の練り辛子。
脇は豚汁と大根ぬか漬けだ。
もちぶたは看板に偽りなく本当にしっとり。
脂身がもうちょい欲しいが
右端の2切れにはしっかりと付いていた。 

総じて手抜かりは感じられないものの、

疑問符が付くのはかつ丼用のどんぶりで出た豚汁。
大きいのはいいけれど、肝心の豚肉がイケなかった。
薄切り赤身肉は解凍がザツで
がっちり固まってしまい、ほどけてくれなかった。

ビール2本に分厚いロースを定食で何とかやっつけた。
新進気鋭の店主が揚げるとんかつは真っ当ながら
端々に改善の余地は残る。
まっ、その点は経験が解決してくれよう
けして悪い店ではないから裏は返すつもり。
次はかつ煮か並のロースをつまみにゆっくり飲みまっせ。

「とんかつ 美濃屋」
 東京都豊島区北大塚2-6-3
 03-5944-5185