2020年8月5日水曜日

第2452話 熱海ノスタルジー (その2)

 ♪     あまりあんたが いい人だから
  酔ったふりして 甘えたの チョイト
  こんな田舎の 温泉芸者
  おぼえていてねは 無理かしら
  サァーサ涙を さらりと流せ
  熱い情けの お湯の中
  ハ ジャブジャブ ジャブジャブ  ♪
      (作詞:越順平)

熱海は東日本有数の温泉地。
みどりは温泉芸者だったのだ。
だけど、”こんな田舎”じゃ、と歌われたら
熱海があまりに可哀そう。
もっとも田舎の温泉じゃ、商売にならんわな。

「温泉芸者」は1963年12月のリリース。
街には舟木一夫の「高校三年生」と
梓みちよの「こんにちは赤ちゃん」が流れていた。

曲がり道クネクネを下って熱海の繁華街へ。
今度は渡辺真知子の「迷い道」が鳴り始めたが
大阪の小姑にまた何か言われそうなのでやめとく。

この6月に訪れた目黒の「サンマリノ」。
同名のレストランが熱海にもあった。
あったが此処はイタリアンにとどまらず、
カレーにピラフにハンバーガーまで扱うから
両者に結びつきはあるまい。

銀座町の「ボンネット」は
J.C.には珍しく大好きな喫茶店。
ここで一休みするつもりだった。
ビールがないからコーヒーと
小ぶりなハンバーガーをいく気だった。
ところが ”只今満席”ときたもんだ。

浜町通りを抜けて糸川沿いを散策する。
旧赤線の面影を色濃く残す、
この界隈は熱海で一番好きな場所。
気に入りの中華料理店「大一樓」、
バー「Dr.Smuggler」ともに健在でうれしい限りなり。

中央町から渚町を経て海岸に出ると
サンビーチには相当数の海水浴客。
何度も見たが、お宮の松とその隣りにある、
外人観光客の間で物議を醸した寛一・お宮のブロンズ像。
あらためて目にすると、さすがにこれはあんまりだ。

どんな理由があろうとも
女を足蹴にするなどもってのほか。
外国の、とりわけ欧米人にはまず受け入れられまい。
しかも寛一は下駄履きだもんネ。

さて、そろそろ駅に戻ろう。
行き過ぎる熱海銀座はまさしく干物ストリート。
こんなにライバルが多くては共倒れが憂慮される。
アジやカマスが干し上がる前に
自分たちが干上がっちゃうんじゃないの?
余計な心配をしたことでした。