2020年8月27日木曜日

第2468話 花の鴨 美味は上野か 浅草か (その1)

 のみとも・Sチャンに紹介された鴨出汁ラーメン。
1軒目は上野アメ横のガード下にある、その名も「鴨 to 葱」。
此処はしょっちゅう通る道筋につき、存在は認知していた。
いつも5~10人ほどの行列ができているから目立つ。
コロナのせいで列は短くなったがそのぶん、
席数を制限しているため、回転率は落ちる。

夜に出向き、店先の券売機で鴨らーめん(820円)と
ハートランドの生(550円)を購入後、それほど待たずに入店。
トッピングのねぎは3種のうち、2種択べるシステム。
通常のきざみねぎ、焼きねぎ甘煮、アーリィレッドから
焼きとアーリィを選択した。

どんぶりを飾る主役の鴨胸肉は2枚。
このうち1枚をビールの友とするが
ノビないうちに麺を食べるので晩酌は後回しだ。

スープが滋味深く、鴨の旨みじゅうぶん。
鴨肉本体もしっとりと仕上がって上々。
日本そば屋の鴨南蛮も真っ青だろう。

だが、この夜、一番驚いたのは麺である。
中細ストレートは歯に快感を与える粉々感。
いや、実にすばらしい。
世の中が令和に突入して早や16ヶ月、
この間に食したラーメン数あれど、
断トツのナンバーワンが目の前にあった。

券売機に鴨コンフィらーめん(1100円)とあったのを
思い出して翌週に再訪。
チャーシューメンなる別称が与えられていたが
はたしてコンフィでも案でもなく、
鴨が6~7枚に増量されているだけ。
チャーシューメンの意味をこのときようやく理解したが
”コンフィ”の文字は余計だ。
消費者に誤解を与えることはなはだしい。

そこのところを差し引いても「鴨 to 葱」はクリーンヒット。
上野・御徒町・湯島あたりで飲んだら締めに立ち寄りたいが
あいにくと夜更けにラーメンを食べる習慣がない。
近くにある、サカナのデパート「吉池」に通っているから
遅い昼めしで利用することになろう。

でも、ここに来て次第に行列の長さが元に戻りつつある。
炎天下に並ぶのは御免こうむりたい。
とにかくアメ横界隈は
真っ昼間からドンチャン騒ぎが横行しており、
コロナなんか屁のカッパ。
浅草や新橋の衰退を尻目に
今や東京きっての盛り場にのし上がった上野である。

「らーめん 鴨 to 葱」
 東京都台東区上野6-4-15
 電話ナシ