2021年3月10日水曜日

第2607話 熱くて持てない カップ酒

本日の昼飲みは文京区・千駄木のはずれ。

動坂下はどの駅からも

かなり歩くことになるが最寄りは北区・田端。

近所にたまさか立ち寄る輸入食品専門店があり、

今日はその買い物の帰りだった。

 

入店したのは動坂交差点に面する、その名も「動坂食堂」。

中休みをとらない通し営業は

J.C.のような遊び人にはまことにありがたい。

現状況下においてはことさらだ。

 

TVの前に陣取り、ドライの大瓶を発注。

壁という壁に張り出された品書きをキョロキョロ。

適当なつまみが見当たらないため、

定食メニューから料理だけ択ぶのが得策で

此処に来るといつもこのパターンになる。

 

五目うま煮定食(980円)を単品で通す。

昼下がりの麦酒にささやかなシアワセを実感しながら

見るともなしにワイドショーを眺めていた。

整った五目うま煮の構成員は

豚小間、小海老、モンゴイカ、玉ねぎ、長ねぎ、にんじん、

しいたけ、ピーマン、キクラゲ、そして大量の白菜。

 

八宝菜風というか、中華丼のアタマといおうか、

悪くはないけど、豚や海老の質があまり良くなく

そのためか火の通り過ぎが残念至極。

 

味付けは化学の子が出しゃばらず、なかなかだ。

一目見てうんざりした白菜が結果として一番旨し。

しいたけもよかったネ。

要するに肉と魚介がダメなんじゃん。

 

橋下徹が五輪について熱弁をふるうTVの真下に

積み上がっていた上撰白鶴のワンカップ。

最近は白鶴をよく見かける。

よし、コイツに切り替えよう。

 

熱めの燗でお願いすると、いや、マイッたな。

熱燗を通り越して飛び切り燗になってるぜ。

レンチンをセットしたお姐さん、

そのあと客の応対で持ち場を離れてたしな。

 

いやはや、ワンカップだから熱くて持てないヨ。

よってポケットからティッシュを取り出し、

紙のマフラーを巻いてやった。

ん? こりゃマフラーじゃないぜ。

かといってスカーフでもない。

おっとぉ、カップの下半身だからオムツでねェの?

オー・マイ・ガッ! まさしく紙オムツでありました。

 

予期せぬシモの世話を終え、お勘定は1990円也。

介護士・J.C.はすみやかに「動坂病院」をあとにした。

家に帰ったら、よお~く手を洗おうっと。

 

「動坂食堂」

 東京都文京区千駄木4-13-6

 03-3828-4498