2021年3月23日火曜日

第2616話 ザ・ウーマン・フロム・NY (その3)

TOKYO隅田川ブルーイング」に再度入店。

さっきの女性スタッフに迎えられ、お互い苦笑い。

「ほかに行くとこ、ございませんの?」―

とは訊かれなかったが

ちょいとばかりキマリがみっとも恥ずかしい。

でも、検温されるA子を尻目にJ.C.は検温パスである。

 

相方はヴァージン、もとい、ヴァイツェン(白ビール)、

当方はエクストラコールド、グラスをカチンと合わせた。

マスク&グラサン外したご尊顔。

おう、おう、変わってないなァ、まだまだ若いねェ。

これなら婚活も順調にいきそうだ。

 

積もりに積もった、よもやま話は山より高く、

交わす言葉は尽きるところを知らない。

ここでまた偶然の賜物だがA子のメールをもらった翌日。

銀座のクラブのママで現役バリバリのH恵から電話あり。

 

四半世紀前、J.C.がよく利用したNYのクラブは「U」と「E」。

往時、両店は人気ナンバーワンの座を競い合っていた。

「U」のママがA子、「E」のチーママがH恵だったのだ。

ライバル関係の二人を引き合わせたのはJ.C.

初顔合わせはゴルフだったと記憶する。

 

(コロナ禍でどうしてるかなァ?)

H恵の電話のワケだが彼女と最後に飲んだのは6年前。

その1年後に届いたメールを紹介すると、

 

最近、NYに出張に行かれるお客様が

「U」へ行く事が多いようで

A子ママの話しを聞きます。

一緒にゴルフに行ったのが懐かしいです。

 

こんな偶然はA子の霊、英霊ならぬA霊が

H恵を呼び寄せたとしか考えられない。

おっと、目の前でまだピンピンしておったわ。

 

せっかくだから即H恵に電話を入れ、対話を促した。

二人が話すのは二十数年ぶりだろう。

結果、四月には三人で飲み会を催すことに―。

H恵も久しぶりだから四日後のサシ飲みが決定。

 

17時を回り、店々が開く時間となった。

候補をいくつか示してリクエストを問うと、

さすがだネ、“どぜう”ときやしたヨ。

 

エンコのどぜうは「飯田屋」でも「駒形どぜう」でもなく

「どぜう ひら井」にトドメを刺す。

深川・高橋(たかばし)の「伊せ喜」亡きあと、

花のお江戸の一番星はまぎれもなく当店。

さいわい徒歩30秒の超至近距離にある。

 

「ひら井」の店先に立ち、その凛としたたたずまいに

NYでブイブイ言わせた伝説のママも

少女のようにウットリとするのであった。

 

=つづく=