2021年3月18日木曜日

第2613話 谷中にも中国大使館があった! (その2)

谷中の中国大使館ならぬ、

「中華 大使館」へ亡命を果たしたところ。

店主と女将さんの二人体制が忙しそうだから

生ではなく中瓶をお願いした。

 

卓上の品書きに「谷中料理 大使館」とあった。

谷中料理っていったい何だ? 初めてみる表記である。

品揃えがきわめて多彩。

中華から洋食、和のどんぶりモノまで多岐に渡り、

エビとカニは炒飯、ピラフの両方あった。

じっくり目を通し、カキフライを択ぶ。

 

ビールを飲んでいると二つの小鉢が供された。

山芋千切りは粗くきざまれ、千切りというより拍子木切り。

居酒屋の一品になり得るほどの量だ。

煮ものは京揚げ・薩摩揚げ・しいたけ・大根、にんじんが混在。

こちらも山芋同様、いや、それ以上のボリュームである。

 

まだ終らない。

シューマイが1個、キャベツを従えて登場。

このキャベツはちゃんと繊切りだった。

新香盛合せは白菜・きゅうり・かぶ・にんじん。

浅めのぬか漬けである。

これだけ並べられちゃ、必然的に中瓶をもう1本。

並べられなくても飲むんだけどネ。

 

四つの小鉢はみな水準に達しており、

酒を飲む際、大量の肴を要する向きは大歓迎だろう。

ありがた迷惑なんて言ったらバチ当たりだが

J.C.にはじゅうぶん過ぎて、もう何もほしくない。

と思った矢先にカキフライが着卓した。

 

大小織り交ぜての6個付けは

タップリまとった溶き玉子と生パン粉のおかげで

ファースト・バイトがカリッではなくフワッ。

好みのタイプに非ずとも、これはこれでよい。

 

付合わせがまたスゴかった。

生野菜のトマトとレタスに

フジッリ使用のマカロニサラダが皿からこぼれんばかり。

腹いっぱいを通り越して満々腹となる。

いやあ、単品だからまだよかったが定食だと脱落してたネ。

 

お勘定の2千円ちょうどはどう考えてもおかしい。

外税の価格表によれば、

550円のビールが2本、カキフライは800円。

税込みトータル2090円になるハズで

大量の小鉢類はすべてサービスということになる。

ブッタマげた店があったもんだ。

 

ちなみに店名の「大使館」は

店主が大使館のお抱えシェフだったわけではなく、

かつて武蔵野市・吉祥寺にあった、

「大使館」という店の暖簾分け。

いずれにしろ、たくさんいただき、ごちそうさまでした。

 

「大使館」

 東京都台東区谷中3-6-14

 03-3824-4809